【大山】再開発の波と歴史の灯火。大山「辰屋かぎや 総本店」で味わう秋のお彼岸和菓子と伝統の技

大山・ハッピーロード商店街を歩くと、時代の大きな変わり目にあることを肌で感じます。

再開発の波に伴い、かつての賑わいの中心だったピッコロスクエア周辺をはじめ、商店街の多くの店舗がシャッターを下ろし、営業を続けるお店も少なくなってきました。

スーパーの「コモディイイダ」や和菓子の「伊勢屋」など馴染みの光景を通り抜けながら、少し切ない気持ちを抱く方も多いのではないでしょうか。

しかし、そんな再開発区域から少し外れた川越街道沿いの路地に入ると、今も変わらず暖簾を掲げ続ける老舗があります。「辰屋かぎや 総本店」です。

ここは再開発の影響を受けず、地域に根差した営業を脈々と続けています。

お彼岸の彩りと、テレビチャンピオン推薦の「冷やしうす塩大福」

秋のお彼岸ということもあり、今回はお供えと普段使いを兼ねて和菓子を購入しに訪れました。

店頭には、秋の定番である「おはぎ」、喉越しの良い「わらび餅」、素材の甘みが詰まった「芋羊羹」、そして名物の「冷やしうす塩大福」です。

店内にも掲げられているこの「冷やし塩大福」は、過去に『テレビチャンピオン』で推薦されたという自慢の一品。過去の板橋区の資料でも「日本初の『冷やし塩大福』」として紹介されています。

一般的な大福は冷やすと餅が硬くなってしまいますが、こちらは「冷やしても硬くなりにくい」独自の工夫が施されているのが大きな特徴。冷んやりとした心地よい食感に、塩気が引き立てる上品なあんこの甘みが重なり、まさに名物にふさわしい美味しさです。

鎌倉時代から続くと伝えられる名家と「鍵屋」の由来

店主の栗原様とお話しする機会をいただきましたが、その歴史の深さに圧倒されます。

栗原家は、上板橋宿(現在の大山や中板橋周辺)で20代近くにわたり続いていると伝えられている歴史ある名家。

「かぎや」という屋号の起源は約300年前、初代が京都で和菓子作りの修行を積んだ後に遡ります。中山道の宿場町であった「上板橋宿」で菓子問屋を開業した際、お上(幕府)より伝馬宿場の「鍵」を預かる重要なお役目を授かったことから「鍵屋」の屋号が生まれたそうです。

明治27年の大火によって一度は菓子屋を廃業せざるを得ない時期がありましたが、昭和の辰年生まれである栗原様が「辰屋かぎや」として見事に復興を果たし、現在の味と暖簾を守り続けていらっしゃいます。

変わる街並みの中で守られる味

街の歴史や和菓子への情熱について大変貴重なお話をたくさん伺うことができ、心温まる時間を過ごさせていただきました。帰り際には「よかったら」と最中のおまけまで持たせてくださり、店主のお心遣いに深く感謝するばかりです。

変わりゆく大山の街並みの中で、江戸の宿場町の記憶と伝統の職人技を今に伝える「辰屋かぎや 総本店」。歴史の重みと温かい人情に触れられる、大山が誇る名店です。

店舗情報

店名辰屋かぎや 大山総本店
業種和菓子店
住所東京都板橋区大山町49-3
最寄り駅東武東上線 大山駅
電話番号03-3955-5588
営業時間10:00~19:30
定休日不定休
主な商品大福、わらび餅、みたらし団子、最中、饅頭など
HPハッピーロード大山商店街|辰屋かぎや

おまけ 福地蔵

福地蔵最中を頂いたので、帰路に福地蔵に手を合わせてきました。

この記事を書いた人

なりチャン

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