練馬区北町6丁目、平和台駅のすぐ近くにある「ライフ 平和台店」。ひときわ大きな建物として、地域住民にとっておなじみのランドマークです。

しかし、夕暮れ時になると、この平和台のシンボル周辺でちょっとした変化が訪れます。
夕暮れ時に響く「ジージー」の怪音の正体

夕暮れ時、ふと辺りを見上げると、どこからともなく「ジージー」という不思議な音が聞こえてきます。「一体何の音だろう?」と耳を澄ませてしまうようなその怪音は、鳥を追い払うための防鳥装置から出ているものです。
ひときわ背の高いライフの看板周辺には、夕暮れを迎えた鳥たちの姿が見られます。

東京都の資料などには、ムクドリ対策として特殊波動装置や鳥の嫌う音源などを利用した追い払いが紹介されています。防鳥装置の怪音に驚いて鳥が一時的に飛び立っても、しばらくするとまた戻ってくる――そんな様子が見られることもあります。
都内でも深刻化する「ムクドリ被害」

こうした鳥をめぐる光景は平和台に限ったことではなく、東京都内でも各地で生活環境問題となっています。特にムクドリによる被害としては、主に以下の3点が挙げられます。
- 1. 騒音数百から数千羽もの鳥が一斉に集まって鳴くため、夕方から夜にかけてかなり大きな音になります。
- 2. フン害電線や街路樹などに集まるため、その真下の道路・歩道・車などにフンが落ちます。店舗の利用者や歩行者への影響にもつながります。
- 3. 悪臭・衛生面同じ場所をねぐらとして使い続けると、フンが蓄積して臭いや衛生面の問題が生じます。

板橋区では「ねぐら」が確認されており、練馬区でも1990年10月に「集団ねぐら」が確認され、ムクドリ用の防除装置を購入した記録もあります。また、東京都の鳥獣保護管理事業計画などでも、ムクドリによる騒音や糞害などの「生活環境被害」が注目されています。
自治体や関係者による対策としては、特殊波動装置や嫌う音の活用、樹木の剪定、ネットなどによる追い払いが行われています。ただし、ムクドリは追い払ったあとに別の場所へ移動することもあり、根本的な解決が難しいのが現状です。
人間と鳥たちの「よいバランス」はどこに?

「ジージー」という防鳥装置の音が響く夕暮れの平和台。
便利で明るい都市のコンクリートや大きな看板は、野鳥たちにとっても過ごしやすい空間になっているのかもしれません。しかし、その近さが時に私たちの生活環境に影響を与え、さまざまな対策を考えさせることになります。

都市の中で、鳥たちと人間がどのように距離を保ち、共存していけばよいのでしょうか。平和台のシンボルの上で繰り広げられる光景は、私たちが都市で暮らすことの、ちょっと考えさせられる一コマです。




