【街歩き】富士見台と手塚治虫・虫プロダクション 鉄腕アトムが生まれた街を歩く

西武池袋線の富士見台駅。駅を降りると、目に入るのは「鉄腕アトム」の姿です。

そう、ここ富士見台は、漫画家・手塚治虫先生と、アニメーション制作会社「虫プロダクション」にゆかりのある街。あの鉄腕アトムを生み出した手塚先生が、アニメーション制作の拠点を構えた場所でもあります。

今回は、富士見台の街を歩きながら、手塚治虫先生と虫プロの足跡をたどってみました。

住宅街にたたずむ虫プロダクション

まず向かったのは、かつて虫プロダクションが拠点としていた建物です。

富士見台の住宅街を歩いていくと、見えてきたのは、どこかおしゃれな雰囲気の建物。外壁に掲げられた「虫」のマークが印象的です。

ここから数々のアニメーション作品が生まれていったのかと思うと、感慨深いものがあります。

一方で、建物には少しずつ年月が刻まれ、「虫」のマークにもほころびが見られました。

漫画やアニメーションの歴史を語るうえで、貴重な場所のひとつ。せっかく残されているこの建物を、何らかの形で保存し、後世に伝えていくことはできないのでしょうか。

街の中にひっそりと残る歴史的な場所。実際に訪れてみると、そんなことを考えずにはいられませんでした。

虫プロの人たちが通った蕎麦屋「更科」へ

虫プロゆかりの場所を訪ねたあと、向かったのは蕎麦屋の「更科」。

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かつて虫プロの人たちが行きつけにしていたというお店です。

アニメーションの制作に打ち込んでいた人たちも、仕事の合間にはこの街で食事をし、ひと息ついていたのでしょう。

作品の舞台や制作現場だけでなく、そこで働いていた人たちの日常に思いを巡らせるのも、街歩きの楽しみです。

また、近くには銭湯の「大富湯」もあったそうです。こちらは2013年頃に閉鎖され、現在は跡地にアパートが建っていました。

街の風景は少しずつ変わっていきますが、かつてここで暮らし、働いていた人たちの記憶は、今も街のあちこちに残っています。

虫プロの始まりは商店街のお肉屋さんだった

さらに歩いて訪ねたのは、商店街にあるお肉屋さん「越後屋」さんです。

実は、虫プロダクションは、先ほど訪れた大きな建物に移る前、こちらの建物の2階、3階にオフィスを構えていたそうです。

お話を伺うと、越後屋さんがビルを建ててテナントを募集したところ、手塚先生が入居されたとのこと。

現在の虫プロのイメージからすると意外に感じますが、街の商店街にある建物から、あの手塚作品の世界が広がっていったのです。

手塚先生の作品の中にも、越後屋さんを連想させるシーンが登場することがあるそうです。

そして、うれしいことに、手塚先生が使っていたという2階は、現在レストランになっていて、中に入ることもできるそうです。手塚作品の展示もあるとのこと。

今回は予定が合わず、残念ながら入ることはできませんでしたが、いつかぜひ訪れてみたい場所です。

この日は、お弁当をいただきました。

普段何気なく通り過ぎてしまいそうな商店街の一角に、漫画やアニメーションの歴史につながる場所がある。富士見台という街の奥深さを感じます。

和菓子の「木村屋」にもアトムの姿

越後屋さんの隣にあるのが、和菓子の「木村屋」さん。

店先には、アトムの姿がありました。

手塚先生は甘いものがお好きだったそうで、作品制作の合間に木村屋さんの和菓子を召し上がっていたとか。

漫画を描き、アニメーションの制作に取り組む手塚先生。その傍らには、街のお店で買った和菓子があったのかもしれません。

歴史に残る偉大な漫画家も、この街で日々を過ごしていた一人の人間だった。そんな親しみを感じさせてくれるエピソードです。

駅前のアトムだけでなく、商店街のお店にも手塚先生とのつながりが残っている富士見台。歩けば歩くほど、街の見え方が変わっていきます。

青春時代に夢中になった手塚作品

手塚治虫先生の作品といえば、私にとっても青春時代の思い出です。

秋田書店の漫画をはじめ、夢中になって読んだ作品の数々。鉄腕アトムのDVDも、今でも大切に持っています。

もっとも、肝心のDVDプレーヤーは、もう手元にないのですが……。

それでも、作品に触れたときの記憶は残っています。

子どもの頃に楽しんだ漫画やアニメーションが、大人になってからも心に残り続けている。手塚先生の作品には、そんな時代を超えた魅力があるのだと思います。

富士見台から東久留米、そして高田馬場へ

Xより引用。

虫プロダクションは、その後、東久留米へと拠点を移し、現在は高田馬場に拠点があります。

JR高田馬場駅では、鉄腕アトムにちなんだ発車メロディーが親しまれています。

富士見台から東久留米、そして高田馬場へ。

活動の拠点は移り変わっても、手塚先生が生み出した作品は、今も多くの人に愛され続けています。

富士見台の駅前でアトムに出会い、虫プロの建物を訪ね、商店街の越後屋さんや木村屋さんを歩く。そんな時間を過ごすと、漫画やアニメーションの歴史が、急に身近なものに感じられます。

街の風景は変わっていきます。それでも、作品を生み出した場所や、そこで暮らした人たちの記憶は、街の歴史として残っていくはずです。

今回の街歩きで、富士見台が一気に好きになってしまいました。

鉄腕アトムが好きな方はもちろん、昔の漫画やアニメーションに思い出がある方にも、ぜひ歩いてみてほしい街です。

この記事を書いた人

なりチャン

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