今回は成増の中学校受験事情を記載いたします。
都内の中学校受験率は2割程度といわれ、文京区や港区であっても受験率は5割を超えることはないのですが、成増小学校や成増ヶ丘小学校の受験率は5割を超えるそうです。
そんな、都内屈指の中学校受験激戦区である成増の受験事情を記事にしてみました。

成増の中学校受験率は5割強

成増の中学校受験率は非常に高く、年によって多少の変動はありますが成増小学校では5割強、成増ヶ丘小学校でも5割近くが受験をしています。
都内においても私立中学校への進学率は2割程度、最も中学校受験率が高い文京区ですら50%弱、港区でも40%程度といわれていることから、成増の中学校受験率は都内でも屈指の水準であることが分かります。板橋区内の平均は1割程度といわれていますので、都心ではなく埼玉県に接している成増の地理を考えると、その受験率の高さは特異的かもしれません。
文京区は筑波大学附属や学芸大学付属竹早、お茶の水女子大学附属などもあり、また、女子校の最高峰の桜蔭も水道橋にあるなど受験人気が高いようです。また、港区も富裕層が多く慶応を始めとして付属校へのお受験が人気となっています。その一方で、なんで成増が受験率が高いののですかね。
成増小学校が受験率は成増ヶ丘小学校よりも少し高い

成増小学校では5割強、成増ヶ丘小学校でも5割近くと若干成増小学校の方が受験率は高い印象があります。
一つは、多くの塾が川越街道沿いにあるので成増小学校の方が通いやすいことがあります。
早稲田アカデミー 成増校 | 教育理念「本気でやる子を育てる」を掲げ、集団指導で難関校を目指す実績のある塾です。 |
日能研 成増校 | 独自のカリキュラムと学力別クラス編成で、きめ細やかな指導を提供しています。※北口ロータリー。 |
栄光ゼミナール 成増校 | 経験豊富な講師陣による指導と、進路指導、家庭学習のサポートも行っています。 |
TOMAS 成増校 | 完全1対1の個別指導で、志望校に合わせたきめ細かい対策が可能です。 |
臨海セミナー 中学受験科 成増校 | 集団指導に加え、個別サポートも充実しています。東京都、埼玉県の受験に対応しています。 |
ena成増 | 私立のみならず都立の中学校受験にも強みがあります。 |
もう一つの理由は、赤二中は成増ヶ丘小学校と隣接していることもあり、成増ヶ丘小学校の方が赤塚第二中学校に進学する物理的にも心理的にも距離が近いことが考えられます。一方で、成増小学校付近から、川越街道や東上線を超えて赤塚第二中学校に通学するのは距離はそんなにないですが若干大変かもしれません。

成増の中学校受験率が高い3つの理由

では、成増小学校と成増ヶ丘小学校は何故これほどまでに中学校受験率が高いのでしょうか。様々な要因が考えられますが、主要なものとしては以下に3つご紹介します。
①受験に関心のある高学歴な親が多い

成増は地下が非常に高くなってきています。円安や材料費の高騰などもあり、新築のマンションの売出し価格もファミリー世帯向けの60-80平米だと6,000-9,000万円台と高値で推移しています。
こうした事情もあり、成増周辺に住む子育て世帯は収入が高い傾向にあり、それに応じて学歴も高い親が多い傾向にあります。そのため、自分の子供にもしっかりと勉強をしてほしいとの思いから中学校受験を検討する親が多くいらっしやいます。
不動産屋さんの話では、成増小学校と成増ヶ丘小学校の学区は人気が高く不動産価格も高めになるそうです。中学校受験を見据えて学区選びをする方もいらっしゃるそうで、受験率が高いことが土地のブランドになることもあるとか。
②共働きが世帯が多い

最近は共働き世帯が多くなってきています。共働き世帯の子供たちは低学年ではお預り(あいキッズ)等で親の帰りを待つことが多く、高学年になれば家で留守番をしていたり、もしくは習い事に行く場合が多いようです。
そうした習い事の一つとして人気なのが英会話や学習塾等になります。特に、中学校受験でしたら、費用こそかかりますが子供の将来にも役立ちますし、また、高学年になるとほとんど毎日授業がありますので塾に専念すれば良くなります。
このように、共働き世帯の習い事として受験が選択されているという事情があったりします。
③受験をしないという判断!?

成増小学校や成増ヶ丘小学校では早い児童は小学3年生頃から通塾を始めます。知り合いの子供が「Nバック」を背負って日能研成増校に入っていく姿を見ると、徐々に我が子も勉強をさせた方がいいのではないかという想いが募ってきます。
〇〇さんは小学三年生から日能研に通ってるみたいよ。うちの子は塾に行かなくていいのかしら。
小学4年生にもなると、私立や国立などの上位校を目指す子供たちは中学校受験用の塾に通塾するようになります。この時点で、2,3割は塾に通うようになります。
〇〇さんは成績が良くて、国立を狙ってるみたいだけど、うちの子はいいのかしら。
現状で成増周辺の小学校の受験率は過半数を超えており受験することが「普通」な状態となっています。つまり、「受験をする」という判断ではなく、「受験をしない」という判断が必要になります。
子供の将来を考えたときに、受験をしないという選択をするのは心苦しかったりしますので、他に何かやりたいことがあるのであれば別ですが(スポーツ、課外活動等)、受験しない積極的な理由がない場合は受験するという選択をすることになります。
【番外編】30年前に受験をした人に聞く受験理由〜かつての赤二中〜

30年前に成増の小学校から受験をした人に受験理由を聞いてみたところ、当時は赤二中がかなり荒れていたことが理由だと言っていました。
赤二中の全ての水道の蛇口からたばこのにおいがして、水道が使用できる状態ではなかった記憶があります。
赤二中は今では校舎が新しくなり、板橋区内でも学業レベルの高い先進的な学校とみなされていますが、30年前は窓ガラスが割られたり、校内暴力で救急車が出動することもありました。そんな状態だったので、赤二中には進学したくないという理由で中学校受験する方も多かったそうです。
当時から、成増には日能研(南口でしたが)、学習指導会(色々あって今はなくなってしまいましたが)などもあったりと、中学校受験向けの塾は多くありました。
上級生による下級生の集団リンチなどもあり、かなり治安は悪かったです。最近の成増の治安を心配する声もたまに聴きますが、1980年~90年の成増を知る身からすると、めちゃめちゃ治安いいと思ったりします。
成増周辺の小学校に通う子供達
これだけ受験率が高い成増周辺の小学校ですが、子供たちはどのように過ごしているのでしょうか。

受験生はいつから休む!?
小学校6年生の受験シーズンは教室に人がまばらになることもあります。
2月1日から5日頃まではもちろんですが、埼玉県の学校をはじめ1月から受験が始まる学校もあったりします。加えて、最近ではコロナ禍ということもありコロナに感染しては受験自体ができずに努力が水の泡にあることを懸念して年明けから休むケースもあるそうです(兄弟がいる場合は下の子も一緒に休むケースも)。
なので、小学校6年生の教室は年明けから空席が目立つようになっていきます。
※30年前は受験日だけ先生に断りを入れて休んでいたものですが、時代は変わりつつあるのですね。
受験しない子と受験する子

受験率がこれほど高いと受験しない子はどのように過ごしているのか気になることもあります。
たしかに、受験する人と受験しない人で生活スタイルは大きく異なり、受験する人は塾が中心の生活を送りますし、受験しない人は学習サポート塾に通ったりもすることはありますが、基本的にそれぞれの習い事に行ったり公園で友達と遊んだりしています。
低学年の頃は仲良しだった友達も、高学年になり受験する派と受験しない派に分かれてしまい、話が少しずつ合わなくなってしまうこともあるそうです。
こうした点は、中学校受験率がこれだけ高くなるとどうしても生じてしまう弊害なのかもしれません。
最後に

本記事では成増の中学校受験事情を概観してきました。
あまりに高い受験率に驚いた方もいるのではないでしょうか。これだけ受験率が高い成増に住んでいる多くの親御さんが子供の中学校受験についてどうしようか悩まれるのではないでしょうか。
そんな時に本記事が少しでも参考になれば幸いです。
※これから、塾の紹介記事なども書いてみようと思っております。