2025年5月千年の歴史「武州白子熊野神社」にお参りに行って境内を散策させて頂きました。武州白子熊野神社は、歴史と自然に囲まれた、地域の人々に愛される魅力的な神社です。機会があればぜひ訪れてみてください。

武州白子熊野神社

武州白子熊野神社(ぶしゅうしらこくまのじんじゃ)は、埼玉県和光市白子に鎮座する神社です。創建年代は不詳ですが、社伝によるとおよそ1000年前の平安時代に創建されたと伝えられています。白子の地は川越街道の宿場町である白子宿として栄えており、地域の鎮守として長く人々に崇敬されてきました。
名称 | 武州白子熊野神社 |
住所 | 埼玉県和光市白子2丁目15−50 |
HP | サイト |
電話番号 | 048-462-8581 |

本殿


現在の本殿は、1866年(慶応2年)に再建されたものです。入母屋造(いりもやづくり)という屋根の形式で、正面には向拝(こうはい)と呼ばれる屋根が突き出ています。彫刻装飾が非常に細かく、向拝の柱や梁、妻壁などには、龍や鳳凰、獅子などの見事な彫刻が施されています。これらの彫刻は、当時の職人たちの高い技術を示すものとして評価されています。
本殿は、神社の最も重要な建物であり、ご祭神が祀られています。普段は扉が閉じられていますが、例大祭などの特別な祭典の際には開かれることがあります(写真では内部が見えてしまっていましたので、ぼやかしております)。
直接、本殿の内部を見ることは難しいですが、外観だけでもその荘厳さと美しい彫刻を十分に堪能することができます。参拝の際には、ぜひ本殿の細部にまで目を凝らしてみてください。
白子滝坂稲荷

滝坂の名前を冠した稲荷が2023年にできました。最近では滝坂も再開発が行われ、滝坂を守ってこられた小島邸マンションになるそうです(奉納者のお名前も小島さんとなっております)。
社務所

お守りや地域の方が作った物品が販売されています。
つつじと赤松の白子富士

明治3年(1870年)に築造された県内でも最大級の富士塚があります。自由に登拝でき、頂上からは境内や和光市の風景を望めます。最近は白子周辺に大規模なマンションが林立していますが、そうした変わりゆく白子の姿が一望できます。
つつじや赤松が植えられています。つつじ祭りの時期にはとてもきれいです。


本殿裏の武蔵野大地と湧水池

社殿の背後は鬱蒼とした緑に包まれ、湧水が武蔵野台地の崖から染み出る池や、そこから小川が流れるなど、豊かな自然を感じることができます。こちらの湧水では明治期に養殖がおこなわれていたそうです。
白子養魚場では、鮭、鱒、鯇(あめのうお)の人工孵化が行われていた。鮭の卵は茨城県の那珂川で採取していたが、明治一一年には最上川(山形県)と石狩川(北海道)、同十三年には三面川からも供給を受けていた。鱒の卵は那珂川の上流である板室村(栃木県黒磯市)で、鯇の卵は滋賀県琵琶湖でそれぞれ採取されていた。(「和光市史」より引用)
ただ、今は裏手に大型マンションが建ったりと、水の流れが変わってしまったそうで、かつて養殖をしていた時ほどは流量がなくなったと聞いたことがあります。

水車

2025年の正月頃に突如現れた水車です。湧水が豊富ですので、将来的には流れ出る湧水を力に回るような仕組みになるのでしょうか。
夫婦銀杏

神社の入り口には樹齢100年以上の立派な夫婦銀杏があり、秋には美しい紅葉を見せてくれます。

お寺

境内には不動明王を本尊とする神瀧山清龍寺不動院があり、開運洞窟や滝行の場(非公開)などがあります。

かつては総理大臣や陸軍大臣も滝行をしたという記載があります。成増はかつて兎月園があったり、白子川沿いにや料亭が何軒かあったそうで、政治や軍事の重要な話が行われていたといたそうです。
三園の方にかつては割烹水車という料亭があったそうです。安倍晋太郎さんや公設秘書時代の安倍晋三さんも利用されていたそうで、由緒ある料亭だったそうですが、時代の変遷とともに現在は廃業しています。
現在は光が丘公園になっている場所は、かつては陸軍の成増飛行場がありました。その地は、もともと農地で、地域民の避難所として整備するような話があったのですが、時の最高指導者東条英機氏が兎月園における会食において、首都防衛のために重要な役割をもつ飛行場の建設地となったと聞いたことがあります(成増飛行場から皇居まで飛行機で数分の場所だそうで、B29がレーダーに探知されてから飛行機を飛ばし特攻する役割を担っていたそうです)。

そんな兎月園や料亭から目と鼻の先にあるお寺ですので、本当に軍部の交換がお寺の滝行で身を清めて戦場に向かったとしてもおかしくはないのかもしれません。



洞窟があります。子供たちが大好きでたまにお邪魔させて頂いております。
滝行



この扉の向こうで滝行を行います。
階段のうえはお寺、階段の下は神社として、この滝行を行う土地はお寺の土地とか神社の土地とか、境界があるのかな。
近隣施設
和光白子コミュニティセンター

白子コミュニティセンターも併設しております。トイレに困った時や夏の暑い時の避難場所等にこちらの施設を利用させて頂くことができます。清水かつらさんの展示も充実しております。
和光市消防団第一分団

和光市消防団第一分団が境内の横にあります。消防団は、火災発生時の消火活動だけでなく、地震などの災害時の救助活動、水防活動、地域住民への防災啓発活動など、幅広い活動を行っています。熊野神社のイベントでは消防車の乗車体験ができたりします。
白子宿の名残


熊野神社のすぐそばには白子宿において本陣を務めていた富澤家の邸宅がありました。少しずつこうした伝統的な建物もなくなりつつありますが、今でも白子宿の名残がそこかしこにあったりします。
イベント情報

毎年10月には例大祭が行われ、神輿が白子を練り歩くとともに、 白子囃子(わこし指定無形民俗文化財)が奉納されます。
元旦祭 | 正月 |
つつじ祭り | 4月最終日曜日 |
夏越しの大祓い 茅の輪くぐり | 7月頃 |
例大祭 神幸祭(神輿渡御) | 10月第一日曜日 |
熊手市 | 12月初旬 |
越しの大祓い 茅の輪くぐり | 12月末 |
さいごに

武州白子熊野神社は、歴史と自然に囲まれた、地域の人々に愛される魅力的な神社です。機会があればぜひ訪れてみてください。