1969年の開業以来、長年にわたって巣鴨駅前の大型店舗として親しまれてきた「西友 巣鴨店」。

かつてはボウリング場(後楽園スガモボウル)を併設していた歴史もあり、巣鴨の街を見続けてきた店舗のひとつです。現在は改装に向けて売場の縮小などが進み、2026年10月8日(木)18時をもって一時閉店します。


ただし、これは完全な撤退ではありません。

改装後は、トライアルグループの新しい業態である「トライアル西友 巣鴨店」として生まれ変わる予定です。2026年11月末オープン予定と案内されており、長年親しまれてきた西友が、新たなスタイルの店舗へと姿を変えることになります。

つまり、巣鴨から大型スーパーがなくなるのではなく、「西友 巣鴨店」が「トライアル西友 巣鴨店」へと業態転換するという動きです。
西友 巣鴨店の歩みと閉店情報

- 店舗名:西友 巣鴨店
- 所在地:東京都豊島区巣鴨2-6-1
- 最終営業:2026年10月8日(木)18:00
- 閉店後:改装工事
- 新店舗:トライアル西友 巣鴨店
- リニューアルオープン:2026年11月末予定

巣鴨店の一時閉店は、単なる一店舗の閉店ではありません。

その背景には、現在のリテール業界で進んでいる「店舗網の再編」と「業態転換」があります。
大手小売3社の出店・再編戦略
特に注目したいのが、イオン、PPIH(ドン・キホーテ)、トライアルの3社です。
| 企業 | 基本戦略 | 最近の象徴的な動き | 戦略の特徴 |
|---|---|---|---|
| イオン | 生活圏の総合的な囲い込み | ウエルシアとの統合、新規出店 | 小型店から大型店まで組み合わせ、生活圏を「面」で押さえる |
| PPIH(ドン・キホーテ) | 商圏・客層別の業態展開+M&A | Olympicグループを完全子会社化 | 立地に応じて業態を使い分け、既存店舗網も活用 |
| トライアル | 既存店舗網の取得+業態転換 | 西友を傘下に収める | 既存店舗を低価格・DX型の店舗へ転換 |
イオンは「生活圏を面で押さえる」

イオンは、イオンやイオンスタイルといった大型店だけでなく、都市部では「まいばすけっと」などの小型店も展開し、さまざまな規模の店舗で生活圏をカバーする戦略を取っています。

豊島区・板橋区・練馬区周辺でも、イオンの動きは活発です。

板橋区蓮根では2026年6月に「イオンスタイル西台」がオープン。さらに板橋区では、上板橋駅周辺でもイオンの新たな店舗建設が進んでいます。

大型店だけで商圏を押さえるのではなく、小型店から大型店までを組み合わせて地域に店舗網を張り巡らせる――。これがイオンの大きな特徴です。
PPIHは「M&A+業態転換」で店舗網を広げる

ドン・キホーテを展開するPPIHは、商圏や客層に応じて「ドン・キホーテ」「MEGAドン・キホーテ」など複数のフォーマットを使い分けています。

さらに大きな動きとなったのが、2026年7月1日のOlympicグループの完全子会社化です。
PPIHはOlympicの店舗網を活用し、立地特性に応じてドン・キホーテやロビンフッドなどへの業態転換を進める方針を示しています。

つまり、PPIHも単純に新しい土地へ店舗を出すだけではなく、
既存店舗を取り込む
↓
立地を分析する
↓
その地域に合った業態(ドン・キホーテ、ロビンフッドなど)へ転換する
という戦略を強めています。
トライアルは「既存の店舗網を生かして業態を再構築」


そして今回の巣鴨店の動きに直結するのがトライアルです。
トライアルは西友の店舗網を取得し、既存店舗を「トライアル西友」へ転換する戦略を進めています。
巣鴨店もその一つで、2026年10月8日に西友としての営業を終え、11月末には「トライアル西友 巣鴨店」として再スタートする予定です。


練馬区の光が丘でも、リヴィン光が丘店が一時閉店し、「トライアル西友」への転換が進められています。
このようにトライアルは、新しい土地にゼロから店舗を作るだけではなく、すでに地域に根付いている大型店舗を取得し、その店舗網を活用して出店エリアを広げるという特徴があります。


加えて、トライアルは次世代型の小型スーパーの「Trial GO」の展開もしています。
豊島区・板橋区・練馬区周辺でも加速する「リテール再編」
こうして見ると、豊島区・板橋区・練馬区周辺では、大手小売各社の動きがかなり活発になっています。
西友・トライアル


巣鴨では西友が一時閉店し、「トライアル西友 巣鴨店」へ転換。
練馬区の光が丘でもリヴィンが「トライアル西友」へと生まれ変わります。
PPIH(ドン・キホーテ)

Olympicグループを完全子会社化し、首都圏にある既存店舗網を活用した業態転換を進めています。

オリンピック志村坂下店では現在リニューアルに向けた閉店セールが開催されています。

今後、Olympicの店舗がどのように変わっていくのかも、このエリアの小売事情を見るうえで注目されるところです。
イオン


板橋区蓮根では「イオンスタイル西台」が開業。


さらに上板橋でも新たな店舗建設が進んでおり、板橋区内での店舗網を強化しています。
「出店競争」から「店舗網の再編」へ
こうして並べてみると、現在の小売業界は単純な「新規出店競争」だけでは説明できません。
新規出店
+
M&A
+
既存店舗の業態転換
という3つを組み合わせながら、それぞれの企業が商圏を広げています。
イオンは、自社グループのさまざまな業態を組み合わせて「生活圏を面で押さえる」。
PPIHは、ドン・キホーテなどの業態を立地に合わせて展開し、さらにOlympicの店舗網を取り込むことで「商圏を広げる」。

トライアルは、西友の店舗網を活用し、既存店舗を「トライアル西友」へ変えることで「店舗網を再構築する」。

巣鴨の西友が10月8日に一時閉店し、11月末には新しい「トライアル西友」として生まれ変わる。
この一連の動きは、豊島区・板橋区・練馬区周辺で進むリテール業界の大きな変化を象徴する出来事ともいえそうです。

これから私たちの街のスーパーや大型店が、どの会社によって、どんな業態へ変わっていくのか。

「どこに新しい店ができるか」だけでなく、「どの既存店舗が次に変わるのか」にも注目していきたいところです。











