板橋区大山で進む再開発をめぐり、2026年11月1日、再開発に反対するパレードが行われ237名が参加しました。

大山では、ピッコロスクエアやクロス大山、補助第26号線の整備、大山駅の高架化など、複数の大規模プロジェクトが進行しています。

街が大きく変わろうとする一方で、長年この街で営業してきた商店や住民からは、再開発の進め方や立ち退きなどをめぐって反対の声も上がっています。

その反対運動の中心に立ってきたのが、コモディイイダの飯田社長です。
この日、飯田社長が語ったのは、再開発への反対だけではありませんでした。

「5年後に戻ってくる」という新たな決意。そして、パレードの終盤には、コモディイイダ前に掲げられていた反対の横断幕が降ろされました。
大山の再開発をめぐる一つの大きな節目となった一日を紹介します。
11月1日、大山で再開発反対パレード

2026年11月1日、大山の再開発に反対するパレードが行われました。


参加者はコモディイイダの前から大山公園に向かい、大山の街を練り歩きました。

パレードの先頭、そして中心となって掲げられていたのは、

「住民の声を聞かない
アーケード解体反対!
再開発反対!
守ろう!私たちの大山」
という大きな横断幕です。
飯田社長も参加者とともに歩き、再開発に対する思いを訴えました。
コモディイイダ飯田社長「5年後に戻ってくる」

今回のパレードで注目されたのが、コモディイイダ飯田社長の発言です。



コモディイイダは、ピッコロスクエアの再開発に伴い、現在の店舗からの退去を余儀なくされています。
今春の時点では、再開発後に営業を再開する場合、家賃が現在の3倍以上となる坪3万円程度に跳ね上がる見通しが示されていました。

野菜などを販売し、利益を積み重ねていくスーパーマーケットにとって、この賃料水準での営業はリスクが大きく、いったん撤退するという考えでした。
しかし、この日の飯田社長の話は、そこから大きく変わっていました。

「5年後に戻ってくる」
再開発後の大山に、もう一度コモディイイダの店舗を構えるという決意を示したのです。
9億円で物件等を購入、さらに3〜4億円の設備投資

その背景にあるのが、再開発後の店舗に向けた大型投資です。

飯田社長は、ハッピーロード大山商店街振興組合が購入を検討していた約9億円の物件等について、コモディイイダが取得する方向で動く考えを説明しました(購入対象や契約内容は今後の動向に注視が必要です)。

この件について、飯田社長は商店街振興組合の理事会で、個人保証をするのかと理事に確認したところ、個人保証はしないとの回答だったことを紹介。

リスクを取れないのであれば、自分がリスクを取るという判断に至ったと説明しました。

さらに、購入したテナントに対して3〜4億円をかけて設備投資を行う計画です。
購入費用と設備投資を合わせると、約12〜13億円規模となります。

そこで販売するのは、青果、生鮮食品、お弁当など、日常生活に欠かせない商品です。
数百円単位の商品を販売しながら、これだけの大型投資を回収していくことになります。

決して簡単な事業判断ではありません。
クロス大山の大手スーパー進出後も売り上げは130%に
飯田社長がこうした投資判断をした背景には、クロス大山の開業後の状況もあるようです。
クロス大山には大手スーパーが出店しましたが、飯田社長によると、そのオープン後もコモディイイダの売り上げは落ちるどころか、130%に増加したとのことです。

再開発によって街の姿が変わり、新しい商業施設ができても、地域のお客さんがコモディイイダを利用してくれる。
11月1日も、飯田社長が演説するすぐ脇を、多くのお客さんが行き交っていました。
こうした日常の光景も、5年後の大山に再び店舗を構えるという決断を後押ししたのかもしれません。
パレードの終盤、コモディイイダの横断幕が降ろされる

そして、この日のパレードには、もう一つ印象的な場面がありました。
パレードが大山駅に到着する頃、コモディイイダに掲げられていた再開発反対の横断幕が降ろされたのです。

これまで再開発反対の象徴の一つとして掲げられてきた横断幕。
しかし、今回、飯田社長は再開発後の店舗に向けて約12〜13億円規模の投資を決断し、5年後に大山へ戻るという方針を示しました。

反対の意思を掲げ続ける段階から、再開発後の大山で商売を続けるための新たな一歩へと動き出したようにも感じられました。
ピッコロスクエアをめぐるコモディイイダの反対運動は、一つの大きな節目を迎えたように感じました。

横断幕が降ろされた光景は、今回のパレードを象徴する場面となりました。ただし、これはコモディイイダをめぐる一つの節目であり、大山全体の再開発反対運動が終わったということではありません。
一方で、立ち退きを迫られる地域のお店も
一方で、気になるのはコモディイイダ以外の地域のお店です。
大山には、長年地域に根差して営業してきたお店が数多くあります。



テレビでもおなじみの伊勢屋、和菓子の名店として知られる佐倉堂など、地元で親しまれてきたお店も、板橋区から退去を求められています。年明け以降の営業についても、閉店を検討しているとの話があり、今後の動向が気になるところです。

コモディイイダのように、大きな資本を投じて再開発後の店舗に戻るという選択ができる事業者がいる一方で、同じようにリスクを取ることが難しく、長年営業してきた場所を離れざるを得ない中小・小規模事業者もいます。

再開発後の新しい街で営業を続けるためには、物件の取得費用や設備投資、賃料など、大きな負担が伴います。

同じ大山で商売を続けてきたお店であっても、その選択肢や置かれた状況は大きく異なります。
今回のパレードを通じて、再開発をめぐる事業者間の明暗も見えてきたように感じました。
5年後に向けて変わる大山の街

大山では、ピッコロスクエア、クロス大山、補助第26号線、大山駅の高架化など、複数の計画が進んでいます。

今後、街の風景は大きく変わっていくことになります。

新しい建物や商業施設が生まれる一方で、これまで大山を支えてきたお店や街並みが失われていくことにもなります。



今回のパレードで掲げられた「守ろう!私たちの大山」という言葉。


そして、最後に降ろされたコモディイイダの横断幕。
再開発への反対を訴える運動の一つの節目であると同時に、5年後の大山に戻るという新たな決意が示された日でもありました。


大山の街が大きく変わろうとする中で、何が残り、何が新しく生まれるのか。
2026年11月1日は、これからの大山を考える上で、一つの大きな節目となる一日だったように感じました。
参考:大山問題を考える会



