前野町にあるスーパー「ライフ」の前で、歩道が通行止めになっていました。

現地には板橋区南部土木サービスセンターによる案内が設置されています。

「この先の建物から、瓦などが落下するおそれがあり危険なため、歩道を通行止めとしています。この先の歩道は通行できません。反対側の歩道へ迂回してください」

建物からの落下物を防ぐため、歩行者の安全を考えて通行規制が行われているようです。
木々に覆われた古い木造家屋

通行止めとなっている場所の先には、木々がうっそうと茂った一角があります。

その中にあるのは、古い木造家屋。
長年の風雨によるものなのか、屋根は傷み、瓦も崩れかけているように見えます。屋根の上に残った瓦がずれ、滑り落ちるような状態になっています。

地面には、落下したと思われる瓦が積み重なっていました。

建物が長い間使われていないようにも見えますが、所有者や現在の管理状況は分かりません。
ただ、こうした建物が周辺の歩行者に危険を及ぼす可能性があることは、今回の通行止めからも分かります。
北町でも建物の一部が崩落

先日も、旧川越街道沿いの北町で、建物の壁の一部が崩落し、一時的に道路が封鎖される出来事がありました。

また、成増でも過去に木造の空き家で火災が発生したことがありました。
老朽化した建物は、瓦や外壁の落下だけでなく、倒壊や火災など、さまざまな危険につながる可能性があります。
空き家問題と行政の役割

空き家は、所有者個人の財産です。そのため、行政が自由に立ち入り、勝手に解体できるわけではありません。
相続によって所有者が変わっていたり、登記が更新されていなかったり、所有者と連絡が取れなかったりするケースもあります。
板橋区では「空家等対策の推進に関する特別措置法」や区の条例に基づき、危険な建物への指導や勧告、命令などを行っています。
改善されない場合には、行政代執行によって建物を撤去することも可能です。

実際に板橋区では、2017年に成増四丁目で行政代執行による建物の除却を実施しています。
ただし、行政代執行は所有者の財産に対する強制的な措置であり、所有者の調査や必要な手続きを経て慎重に判断されます。解体費用も原則として所有者に請求されます。
また、板橋区では危険な建物の所有者に対する解体費用の助成制度なども設けています。
これからさらに大きくなる空き家問題

高齢化や人口構造の変化に伴い、今後も空き家や管理が難しくなる建物の問題は、地域にとって重要な課題になっていくと考えられます。
所有者が高齢になり管理が難しくなる。相続した家を誰も引き継がない。解体したくても費用を負担できない。

こうした事情が重なると、建物の老朽化が進んでも、なかなか解決に至らないことがあります。
一方で、今回のように瓦が落下するおそれがある場合、歩行者の安全を守るための対応は待ったなしです。

所有者による適切な管理を基本としながら、行政による調査や指導、解体支援、必要に応じた行政代執行など、さまざまな対応が求められます。


そして、危険な建物を取り壊すだけでなく、その後の土地をどう活用していくのかも考えていく必要があります。
前野町のライフ前で見かけた歩道の通行止め。
身近な街の風景から、これからの地域社会が向き合わなければならない空き家問題について、改めて考えさせられます。








