板橋区赤塚を代表する観光スポットの一つが、乗蓮寺の境内に鎮座する「東京大仏」です。


高さ約13メートル、重さ約32トンの青銅製の阿弥陀如来坐像で、1977年(昭和52年)に建立されました。


週末には多くの人が訪れ、最近では海外から訪れる人の姿も。境内の絵馬には、さまざまな言語で書かれたものも見られます。

そんな東京大仏ですが、実は「昔から赤塚にあった」わけではありません。
乗蓮寺の始まりは室町時代
板橋区仲町(山中村)

乗蓮寺は、応永年間(1394~1428年)に、了賢無的によって山中村に開創されたと伝えられています。
山中村は、現在の板橋区仲町にあたり、現在の専称院がある場所付近とされています。
仲宿へ移転
その後、安土桃山時代末期に、旧中山道沿いの仲宿へ移転。江戸時代には板橋宿を代表する寺院の一つとして栄えました。

現在の仲宿には「乗蓮寺跡」が残されており、江戸時代の乗蓮寺の様子は『江戸名所図会』にも描かれています。
その後、中山道板橋宿の仲宿へ移転。江戸時代には徳川家康から10石の朱印地を与えられ、8代将軍・徳川吉宗が鷹狩りの際に立ち寄ったことでも知られています。
現在の仲宿には「乗蓮寺跡」が残り、江戸時代の様子は『江戸名所図会』にも描かれています。
今も仲宿商店街の一角にはかつての乗蓮寺の参道の跡地が残っています。
赤塚山へ移転

しかし、戦後の道路整備によって寺域が縮小したことから、乗蓮寺は1971年(昭和46年)から現在の赤塚へ移転。約7年をかけて移転が進められました。
つまり、東京大仏が仲宿から移転してきたのではなく、乗蓮寺が赤塚へ移転し、その後に東京大仏が建立されたということになります。
赤塚城跡とつながる現在の境内


現在の乗蓮寺がある赤塚5丁目周辺は、赤塚城跡をはじめ、赤塚植物園や板橋区立美術館、板橋区立郷土資料館など、歴史や文化に触れられる場所が集まっています。

乗蓮寺の現在地は、赤塚城跡の二の丸にあたる場所とされることもあり、東京大仏を訪れる際には、赤塚城の歴史にも目を向けてみたいところです。
東京大仏に込められた平和への願い
東京大仏が建立されたのは1977年(昭和52年)4月11日。


発願したのは、当時の乗蓮寺第38世住職・若林隆道上人です。

隆道上人自身が関東大震災と東京大空襲を体験されていたことから、東京大仏には、震災や戦災で犠牲となった人々を供養し、同じような悲劇を繰り返さないという願いが込められています。


その祈りは、さらに世界平和と万民安楽へと広がっています。

高さ約13メートルという大きさだけでなく、こうした背景を知ると、東京大仏をまた違った角度から見ることができます。



東京大仏と一緒に赤塚を歩いてみる
東京大仏を訪れるなら、周辺の歴史スポットも一緒に巡ってみてはいかがでしょうか。


赤塚城跡や赤塚植物園、板橋区立美術館、板橋区立郷土資料館などを組み合わせれば、東京大仏だけではなく、赤塚の歴史や文化を楽しむ街歩きができます。


室町時代から続く乗蓮寺の歴史、江戸時代の板橋宿、赤塚城、そして昭和に建立された東京大仏。
現在の赤塚には、こうした長い時間の流れが一つの地域に重なっています。
東京大仏・乗蓮寺

所在地:東京都板橋区赤塚5-28-3
赤塚を訪れた際には、東京大仏の大きさだけでなく、その背後にある歴史にも注目してみてください。






