
埼玉県川口市に、新たな文化の拠点となる「川口市立美術館」が本日・2026年9月12日(土)にグランドオープンしました!


かつて荒川低地に位置し、洪水の歴史とともに歩んできた川口。その後は「鋳物の街」として日本の産業を支える工業地帯へと発展し、今ではタワーマンションが立ち並び、リリアなどのコンサートホールを有する「文化を感じる街」へと進化を続けています。

そんな川口の街に新たに誕生した素敵な美術館。さっそくオープン初日の朝一番で行ってきた様子をレポートします!
期待が膨らむオープン初日(10:00入館)

JR川口駅西口から徒歩わずか2分ほど。アクセス抜群の場所に新設された川口市立美術館。
本日10時のオープンに合わせて到着すると、開館を待ちわびた多くの人々で賑わっていました。(※入館は日時予約制となっているため、事前のオンライン予約がスムーズです!)

今回の開館を飾る記念すべき特別展は、「蜷川実花展 はじまりの光」です。

実は、蜷川実花さんは幼少期をここ川口で過ごされたゆかりのある方。また、演出家として知られる父・蜷川幸雄さんも川口に深い縁があります。

今回の展覧会は、単なる作品展にとどまらず、「川口」という土地と蜷川さんの「創作の原点・家族の記憶」に焦点を当てた、とても特別な展示になっています。
展示レポート:「家族の記憶」と生命の色
1. 鮮烈な色彩と「うつくしい日々」


蜷川さんは2026年9月の記者発表で、幼少期に川口の酉の市で見た露店や、どこか怪しく不思議な祭りの世界が強く印象に残っていると語っています。さらに、当時父・蜷川幸雄さんが手掛けていた舞台作品の世界と重なり、「どこまでが創作で、どこまでがリアリティなのか」という感覚につながったと説明しています。本人は川口について、「創作の原点」と表現しています。

エントランスから足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは沖縄の美しい海のグラデーション。一瞬で蜷川世界へと引き込まれます。
順路を進むと、父・蜷川幸雄さんの追悼の展示へ。


父が亡くなる最後の日々をメッセージとともに写真で綴った「うつくしい日々」のセクションでは、圧倒的な「命のつながり」を感じずにはいられません。




特に印象的だったのは、展示の最後の一枚。
そこには蜷川実花さんの娘さんとお孫さんの姿が写し出されていました。きっと天国から、おじいちゃんも二人の影を優しく見守っているのだろうな……と、胸が熱くなります。
「生きる」ということは「死ぬ」ということ。
そして「死ぬ」ということは、誰かの記憶の中で「生きる」ということ。
2. 一階へ——再現された書斎と母のキルト作品




階段を降りて一階の展示スペースへ向かうと、そこには父・幸雄さんの生前の書斎にあった机や棚がそのまま移設・使用された重厚な空間が広がっていました。さらに、母・蜷川宏子さんの温もりあふれるキルト作品も並べられています。

3. 彼岸花が表現する「生」と「死」、情熱

展示の圧巻は、彼岸花に包まれた追悼の空間です。
亡くなられてなお、そこに立ち上る父・幸雄さんの強烈な存在感。蜷川実花さんの心の中に生きるご両親は、きっとこんなにも鮮明で強い色をしているのかもしれません。

そのすぐ横には、一転して白い彼岸花に包まれた人形が静かに佇んでいました。
赤と白のコントラストがもたらす、優しくも落ち着いた静寂——。

父親や母親への想いは人それぞれですが、それは誰もが根底に抱えている、極めて本源的な感情です。蜷川実花さんの心の奥底にある、もっとも純粋な「色」に触れたような気がしました。
お土産:大切な人へ旅の思い出を


鑑賞後、ミュージアムショップへ立ち寄りました。
色とりどりの蜷川実花さんの花々が装丁を彩る「クロッキー帳」を購入。

家に帰って子供に渡したら、喜んでくれるかな?
そんなことを考えながら美術館をあとにしました。
訪れてみて(感想・まとめ)

工業の街からタワーマンションが広がる現代都市へと姿を変え、今回新たに美術館を迎えた川口市。街全体に心地よい「文化の香り」が漂い始めているのを感じます。

家族の記憶、生と死、そして新しいはじまり——。
川口市立美術館の歴史の第一歩にふさわしい、心揺さぶられる素晴らしい展覧会でした。皆さんもぜひ、足を運んでみてください。

【施設・展覧会 概要】

- 施設名:川口市立美術館
- 所在地:埼玉県川口市川口3-1-2(JR川口駅西口より徒歩約2分)
- 展覧会名:開館記念特別展「蜷川実花展 はじまりの光」
- 会期:2026年9月12日(土)~ 11月29日(日)
- 開館時間:10:00~18:00
- 観覧料:一般 2,000円 / 大学生 1,500円 / 高校生 1,000円 / 中学生以下 無料
- 備考:日時予約制(事前オンラインチケット購入を推奨)




