【大山】線路沿いに並ぶ小さな飲み屋街――すずらん通りで、東武東上線と一緒に飲む夜

東武東上線の大山駅周辺。

再開発が進み、街の景色が少しずつ変わっている大山ですが、駅から少し離れて歩いてみると、昔ながらの風景が残る場所があります。

今回訪れたのは、線路沿いにある細い小道。

以前から気になっていた場所でした。

怪しい紫色のネオン

怪しい紫色のネオンがある場所は、補助第26号線沿いにある東京都健康長寿医療センターの前あたり。

一瞬、近くの飲み屋さんのネオンなのかと思ってしまいますが、これは飲食店の看板ではありません。

東武鉄道が一部の踏切などに設置している「青色照明」です。

東武鉄道によると、人身事故対策として、心理的な鎮静効果があるとされる青色照明を設置しているとのこと。

夜の大山で見ると、なんとも不思議な雰囲気です。

交番の前にある踏切を渡り、線路沿いへ。

昼間なら何気なく通り過ぎてしまうような場所ですが、夜になると、薄暗い光が妙に目を引きます。

線路沿いを大山駅の方向へ左に進んでみます。

すると、突然、道が細くなりました。

道幅2メートルもない細い小道

道幅は2メートルもないでしょうか。

そんな細い小道の左右に、小さな飲み屋さんがぎっしりと並んでいます。

店と店の間を縫うように、人が一人、二人と歩いていく。

どこからかカラオケの歌声が聞こえてきます。

昼間に何度かこのあたりを通ったことはありました。

でも、夜に来るのは初めてです。

昼と夜では、同じ場所とは思えないほど雰囲気が違います。

「入ってみようかな」

以前から気になっていた場所です。

せっかく夜に来たのだから、思い切って一軒のお店に入ってみることにしました。

とはいえ、少し緊張します。

常連さんも多そうです。

カラオケの音も聞こえる。

「もし怖い人がいたら嫌だな……」

そんなことを考えながら、暖簾をくぐりました。

暖簾をくぐると、温かく迎えてくれた

ドアを開けると、そんな心配はすぐになくなりました。

温かく迎えてくれた店主。

店内は決して大きくありません。

けれど、その小ささがかえって落ち着きます。

話を聞いてみると、この店は昔からここで営業しているそうです。

「いつからあるのか、もうよく分からない」

そんな話を聞きながら、一杯。

そこから自然と、大山の街の話になりました。

普段、街を歩いているだけでは分からない話。

このあたりで長く商売をしてきたからこそ知っている話。

再開発が進む大山についても、いろいろな話を聞くことができました。

思っていた以上に楽しい時間です。

「すずらん通り」という名前

この一帯は「すずらん通り」と呼ばれています。

路地を歩いていると、「商売繁盛」と記された「すずらん神社」が目に入ります。

そして、その周辺には小さな飲み屋さんが並んでいます。

細い路地に店が密集しているため、一軒一軒を眺めながら歩いているだけでも独特の雰囲気があります。

大きな商店街とはまったく違う、大山のもう一つの顔です。

すぐ裏を東武東上線が走る

この飲み屋街の特徴は、なんといっても線路との近さ。

店のすぐ裏には東武東上線の線路があります。

店内で飲んでいると、電車がひっきりなしに通っていきます。

電車が通るたびに、音と振動が伝わってくる。

まるで東武東上線と一緒に飲んでいるような感覚です。

そんな中、突然、電車が止まりました。

「何かあったのかな?」

店内でも、みんなが気にしています。

電車の動きを気にしながら飲む。

これも、この場所ならではの夜なのかもしれません。

再開発で、この風景はどうなるのか

大山駅周辺では、補助第26号線の整備や東武東上線の連続立体交差事業、駅周辺の再開発などが進んでいます。

今歩いているこの細い路地も、これから先、街の変化とは無縁ではいられないでしょう。

店で聞いた話の中には、将来的な建物の取り壊しや、高架化に伴う資材置き場など、この場所の今後を思わせる話もありました。

また、土地や建物の権利関係が複雑で、場所によっては所有者がよく分からないところもあるという話も。

それでも、実際にこの場所で長く商売をしてきた人から話を聞くと、「街が変わっていく」ということが、単なる道路や建物の話ではないことを感じます。

帰りは大山駅の方へ

すっかり長居してしまいました。

店を出て、再び細い小道を歩きます。

左右には、まだまだ小さな店が続いています。

どこからか、またカラオケの歌声が聞こえてきます。

少し歩くと、やがて大山駅の方向へ抜けていきます。

変わりゆく大山で、今夜見た風景

大山駅周辺では、これからも街の姿が変わっていきます。

新しい建物ができ、道路が整備され、東武東上線の高架化も進んでいく。

そんな大きな変化の一方で、線路沿いには、細い路地と小さな飲み屋さんが並ぶ風景があります。

昼間に何度か通っていたのに、夜になって初めて見えたものがありました。

紫色のネオン。

細い路地。

カラオケの歌声。

すぐ裏を走る東武東上線。

そして、暖簾をくぐった先で出会った店主との会話。

再開発という言葉だけでは分からない、大山の街のもう一つの表情です。

いつまでこの風景を見ることができるのかは分かりません。

だからこそ、今夜歩いてみてよかった。

大山の夜には、まだこんな場所がありました。

この記事を書いた人

なりチャン

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