「ほけんの窓口上板橋駅前店」が統廃合へ。伊藤忠商事が描く商社No.1金融・保険事業の姿。

2025年6月29日「ほけんの窓口上板橋駅前店」が大山ハッピーロード点に統合される形で閉店しました。来店型保険事業の先駆けとして全国800店舗を展開する業界最大手は、これまで店舗数の拡大を進めてきましたが、ここにきて統廃合が相次いでいます。伊藤忠商事が描く商社No.1金融・保険事業の姿とはどのようなものなのでしょうか。

保険の窓口上板橋駅前店の統廃合

2025年6月29日をもって保険の窓口上板橋駅前店が閉鎖され、大山ハッピーロード店と統合することになりました。これまで店舗数を伸ばしてきた業界最大手が閉店することとなりました。

全国的な「ほけんの窓口」の統廃合の動き

実は、保険の窓口は2024年度から店舗の統廃合を進めており、2024年4月から2025年6月までに実に31店舗を統廃合させています。従前は「保険の窓口」は「保険見直し本舗」や「保険クリニック」等と熾烈な出店競争を繰り広げており、駅近物件やイオンをショッピングモールなどの好立地に次々と来店型保険ショップがオープンしていました。

しかしながら、来店型保険ショップ市場の成熟に伴い、現在は激しい競争環境にあり、単に店舗を増やすだけでは生き残りが難しくなっていることが統廃合の背景にあります。

来店型保険ショップを取り巻く事業環境

市場の飽和と競争の激化

市場の飽和と出店場所の枯渇

来店型保険ショップは全国に急速に広まり、特にショッピングモールや主要駅の近くなど、好立地への出店はほぼ飽和状態にあります。これにより、新規出店による顧客獲得が難しくなり、店舗同士の顧客の奪い合いが激化しています。

オンラインチャンネルの台頭

コロナ禍を機に、オンラインでの保険相談が定着しました。顧客はわざわざ店舗に足を運ばなくても、自宅で専門家のアドバイスを受けられるようになりました。これにより、来店型ショップの「いつでも気軽に相談できる」という優位性が薄れ、むしろ多店舗を構えることで事業費が高くなるという足かせになってしまいます。

異業種からの参入と競争の激化

来店型ショップのビジネスモデルのライバルとして、銀行窓販やAIも競争関係にあります。

銀行は、保険だけでなく投資信託やNISAなど、顧客の資産形成に関する幅広いサービスを提供しています。銀行窓販の強化も進んでおり、来店型保険ショップの顧客を奪う脅威となっています。

加えて、最新のテクノロジーを活用したオンライン保険相談サービスや、AIによる最適なプラン提案など、従来のビジネスモデルを揺るがす新しいサービスが次々と登場しており、こうした新しい潮流も保険販売の競争激化につながっています。

伊藤忠商事への経営統合と描く未来

伊藤忠商事HPより引用。

伊藤忠商事による資本再編と連結子会社化

伊藤忠商事は、2014年に「ほけんの窓口グループ」と資本・業務提携を開始して以降、段階的に株式を取得してきました。そして、2019年には株式の過半数(57.7%)を取得し、連結子会社化しました。さらに、2023年には株式併合を含む資本再編を実施し、持ち分比率を92.0%まで引き上げています。

伊藤忠商事が描く商社No.1金融・保険事業の姿~マーケットイン~

成増1丁目にオープンしたファミマ。

伊藤忠商事は、中期経営計画において、顧客のニーズを起点とする「マーケットイン」型の事業変革を掲げています。全国に広がる「ほけんの窓口」の店舗網は、消費者の声やニーズを直接吸い上げる貴重な顧客接点であり、これをグループ全体の金融・保険事業の中核に据え、ビジネスの拡大を目指しました。

伊藤忠商事は、ファミリーマートなどの多くのグループ会社を持っています。これらの事業との連携により、新たな顧客層へのアプローチや、保険以外のサービスとの複合的な提案など、シナジー効果を創出することも保険の窓口グループの統合の背景にあります。

真に選ばれる「来店型保険ショップ」へ

真に顧客に選ばれる「来店型保険ショップ」になるためには、単に保険を売る場所ではなく、顧客の人生に寄り添う信頼できるパートナーへと進化することが不可欠です。

伊藤忠商事との資本提携により、商社の持つ資金力や経営ノウハウを活用することで、経営基盤が強化されました。これにより、デジタル投資や人材育成など、サービスの質を高めるための取り組みが加速し、顧客サービスの向上が図られています。加えて、これまで保険を主軸としていましたが、今後はNISAやiDeCoといった資産形成に関するサービスなど、保険以外の金融商品も取り扱うことで、総合的なマネーアドバイザーとしての役割を強めています。

こうした、取り組みを通じて真に選ばれる来店型保険ショップに変革するためのステップとして、「保険の窓口」では現在店舗の統廃合を進めているのかもしれませんね。

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