都営三田線・志村三丁目駅から徒歩6、7分。三田線の高架沿いから少し離れ、目の前に大きな団地が広がる一角に、そのお店はあります。2026年1月、夕暮れ時の冷え込む空気の中、店内から漏れる温かい光に吸い込まれるように、念願の初訪問を果たしました。

30種類以上の手作り惣菜と、誇り高き「三冠」

店内に入ると、30種類以上もの色とりどりのお惣菜が並び、どれにしようか迷っていると「今日のおすすめはこれですよ」と奥様が気さくに声をかけてくださいました。

こちらには、板橋区民の推薦で選ばれるブランド「板橋のいっぴん」に認定された品が3つもあります。一つの店で3つも認定を持つのは、区内でも非常に稀なことです。

- 【認定】特撰 結び昆布(1個140円) 元乾物屋の目利きを活かした「歯舞一等級昆布」を使用。先代が考案し、二代目が守り続けるこの味は、驚くほど肉厚で柔らか。まさに「至宝」と呼ぶにふさわしい逸品です。
- 【認定】なおちゃんの煮込みハンバーグ(500円) 二代目のお母さんが洋食のニーズに合わせて作った人気商品。手作りの温かみが詰まっています。
- 【認定】うま煮スペシャル(100g 280円) 2025年に新たに認定されたばかりの期待作。野菜の旨みを最大限に引き出した職人技が光ります。

さらに、実は一番人気だというのが「あじの南蛮漬け」(100g 480円)。毎日丁寧に揚げて作られるこの品は、時間が経っても美味しく、ご飯にもお酒にもぴったりです。他にも「さばの煮付け」や「唐揚げ」、彩り豊かな「ポテトサラダ」など、年齢や性別を問わず愛される味が並びます。

梁が支える空間で伺った、志村の移り変わり

内装で目を引くのが、天井を走る立派な「梁(はり)」です。長野県の古木を利用しており、重厚な木の温もりがお店に風格を与えています。最初は「店内にこんな大きな柱があると場所を取るかも(邪魔になるかも)」と思ったという奥様も、今ではこの柱がある落ち着いた雰囲気をとても気に入っているそうです。
そんな時代を感じる空間で、二代目ご夫婦に少し昔のお話を伺いました。 創業から67年。かつてお店の前はバス通りで、その先には広大な徳丸田んぼが広がっていたといいます。 「三田線ができる前、中山道には都電志村線が走っていてね。当時は高い建物がなかったから、このあたりからも電車が走る様子が見えたんですよ」

周辺には武蔵野台地の崖線から湧き出す豊かな水が流れ、出井川や蓮根川となって田んぼを潤していました。現在は暗渠化され緑道や高架になっていますが、お店のすぐそばの団地が建つ前、そこには水と緑豊かな志村の原風景があったのです。
最後に


店頭の看板には、今の板橋らしく「Please Drop By」と英語のメッセージも添えられ、多様な人々を迎え入れています。
帰り道、袋から漂うお惣菜の香りに、自然と足取りが軽くなりました。今夜は「結び昆布」をあてに、キリッと冷えた日本酒を。志村の長い歴史に思いを馳せながらいただく手作りの味は、何よりの贅沢です。
| 店名 | (有)小島屋 |
| 創業 | 1958年頃 |
| 住所 | 東京都 板橋区坂下1-12-22 |
| アクセス | 志村三丁目から徒歩6,7分 |
| 電話番号 | 03-3960-5026 |
| 営業時間 | 10:00 ~ 18:00 |
| 休業日 | 日曜、祝日、木曜 |
| リンク | (有)小島屋 – 店舗情報 |

