練馬区旭町地域で長らく議論されてきた、豊渓中学校と光が丘第一中学校の統合・再編。

2025年9月に練馬区が策定した「区立学校適正配置第二次実施計画」では、両校を2029年4月(令和11年4月)に統合・再編することが示されました。


そして2026年9月、練馬区長は地域から寄せられたさまざまな意見を踏まえたうえで、これまでの方針に沿って2029年4月の統合に向けて取り組みを進めることを正式に表明しました。

単に一つの学校がなくなるというだけではありません。
通学先の変更、子どもたちの学校生活、そして統合後の豊渓中学校の施設をどう活用するのか――。
旭町地域のこれからを考えるうえでも、大きな転換点となりそうです。
統合の全体像とスケジュール
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象校 | 豊渓中学校・光が丘第一中学校 |
| 統合・再編時期 | 2029年4月(令和11年4月) |
| 統合後の位置 | 現在の光が丘第一中学校の位置 |
今回の計画は、制度上、豊渓中学校だけを閉校するというものではなく、豊渓中学校と光が丘第一中学校の「統合・再編」として位置付けられています。


統合後の学校は、現在の光が丘第一中学校の位置に置かれる計画です。
つまり、
豊渓中学校
+
光が丘第一中学校
↓
2029年4月に統合・再編
↓
現在の光が丘第一中学校の場所で新しい学校へ
という流れになります。
そのため、旭町地域から見ると、現在豊渓中学校に通っている、あるいは今後通う予定だった生徒の通学先が、光が丘第一中学校側へ移ることになります。
なぜ豊渓中学校と光が丘第一中学校を統合するのか


練馬区が進めているのは、区立学校の「適正配置」です。
背景には、児童・生徒数や学校規模の変化があります。
区は、良好な教育環境の確保と持続可能な学校運営という観点から、学校の統合・再編を進めています。
一定の学校規模を確保することで、多様な人間関係の中で学ぶ環境や、学校運営の充実につなげることが狙いです。


2026年9月の区長所信表明でも、豊渓中学校の統合・再編について、
- すでに具体的な統合年度を公表し、それを前提とした学校生活が始まっていること
- 今から方針を元に戻すことは子どもたちへの影響が大きいこと
- 良好な教育環境の確保
- 持続可能な学校運営
を踏まえ、2029年4月の統合に向けて進める考えが示されました。
「豊渓中がなくなる」だけではない。光が丘第一中学校も統合の当事者に


今回の問題を考えるうえで重要なのは、これは豊渓中学校だけの問題ではないということです。
統合後の学校が置かれるのは、現在の光が丘第一中学校です。
そのため、豊渓中学校の生徒を受け入れる側となる光が丘第一中学校についても、統合に伴うさまざまな課題への対応が必要になります。
練馬区も、統合までの間、豊渓中学校の生徒が安心して学校生活を送り、充実した学びを続けられるようにするとともに、光が丘第一中学校についても統合に伴う課題に適切に対応していく方針を示しています。
2つの学校が一つになるまでの数年間は、子どもたちにとっても、保護者にとっても大きな変化の期間になりそうです。
最大の関心事の一つ、旭町からの通学はどうなる?
地域から特に大きな関心が寄せられているのが、通学距離の問題です。
現在よりも学校が遠くなる地域があるため、「子どもたちの通学の負担が増えるのではないか」という声も上がっています。
練馬区はこの問題への対応として、旭町2丁目・3丁目の旭町小学校の通学区域に居住する生徒などを対象に、希望者が自転車通学できるようにする方針を示しています。

自転車通学にあたっては、
- 交通ルールの徹底
- ヘルメットの着用などのルール
- 光が丘第一中学校への自転車駐車場の設置
といった対応も予定されています。

また、バス通学についても、煩雑な手続きを行わなくても利用できるよう柔軟に対応する方針が示されています。ただし、交通費は原則として自己負担となります。
通学時間や通学路の安全性は、統合までの期間に地域と行政がしっかり確認していく必要があるテーマといえそうです。
地域からは計画見直しを求める声も

豊渓中学校の統合・再編については、地域や保護者から計画の見直しを求める声も出てきました。
練馬区議会には、
「豊渓中学校と光が丘第一中学校を統合・再編するという学校統廃合計画を見直してほしい」
という趣旨の陳情も提出されています。
この陳情では、地域住民や学校関係者、現在と将来の保護者、子どもたちの声を計画に反映することも求められていました。
区議会では、この陳情は不採択となりました。
一方で、練馬区は今後も、学校関係者、保護者、町会・自治会の代表などと協議を進めていく考えを示しています。
統合方針が維持された今、地域の声を今後の学校づくりや具体的な対応にどのように反映していくのかが、さらに重要になりそうです。
豊渓中学校の統合後、校舎や跡施設はどうなる?

統合後の豊渓中学校の施設をどうするのかも、旭町地域にとって大きなテーマです。
豊渓中学校の敷地や建物は、地域にとって長年親しまれてきた重要な施設です。
練馬区は、統合後の豊渓中学校の施設のあり方について、子どもたちをはじめ地域の人たちと丁寧に対話を重ね、意見を反映できるよう検討を進める方針を示しています。

学校の跡施設については、区全体の適正配置計画の中でも、
- 避難拠点としての活用
- 校庭開放やスポーツ活動など地域利用
- 近隣の学校改築時の仮設校舎
- 区立施設の複合化
など、さまざまな可能性を考慮して検討するとされています。
現時点では具体的な跡地利用方法は決まっていません。
だからこそ、これからの地域との話し合いが重要になります。
隣接する旭町小学校の老朽化も大きな課題に

豊渓中学校のすぐ隣にある旭町小学校についても、今後の動きが注目されます。
2026年9月の区長所信表明では、旭町小学校は老朽化が進んでいるため、改築を早期に進められるよう検討していく方針が示されました。
豊渓中学校の統合後の施設活用と、旭町小学校の改築。
どちらも旭町地域の将来に関わる重要なテーマです。

ただし、現時点で練馬区が両者を一体的に進める具体的な計画を公表しているわけではありません。
今後、それぞれの検討がどのように進み、旭町地域全体の学校施設や地域施設のあり方にどのような影響を与えていくのか、注目されます。
2029年に向けて、これから何が変わる?

豊渓中学校と光が丘第一中学校の統合まで、あと約2年半です。
統合方針そのものは維持されることになりましたが、具体的に決めなければならないことはまだ数多くあります。
例えば、
- 子どもたちの交流をどのように進めるのか
- 統合後の学校づくりをどう進めるのか
- 通学路の安全をどう確保するのか
- 自転車通学をどのように運用するのか
- 光が丘第一中学校側の受け入れ環境をどう整えるのか
- 豊渓中学校の統合後の施設をどう活用するのか
- 旭町小学校の改築をどう進めるのか
といった課題があります。
「統合するか、しないか」という議論から、これからは2029年の統合に向けて、子どもたちにとってどのような学校をつくるのかという段階へ移っていくことになります。
豊渓中学校と光が丘第一中学校。

それぞれが積み重ねてきた歴史や地域とのつながりを大切にしながら、新しい学校をどうつくっていくのか。
そして、豊渓中学校が担ってきた地域の役割を、統合後にどのように引き継いでいくのか。

2029年に向けたこれからの議論は、旭町だけでなく、練馬区全体の学校再編を考えるうえでも注目されることになりそうです。
今後の地域との協議や具体的な計画についても、引き続き注目していきたいと思います。










