練馬高野台の駅前風景から、また一つ馴染みの灯が消えることになりました。

2002年の開店以来、23年間にわたり親しまれてきた「不二家ピーコック高野台店」が、2026年2月23日をもって閉店します。近隣の光が丘店に続く閉店に、地域住民の間では驚きと寂しさが広がっています。

今回の閉店を、不二家とピーコックストアそれぞれの歩み、そして変わりゆく業界の現在地から紐解きます。
練馬高野台の「甘い記憶」が幕を閉じる

練馬高野台駅前のロータリーに位置し、買い物帰りの家族連れや手土産を求める人々で賑わった不二家。1910年に横浜・元町で創業し、日本初のクリスマスケーキを販売したとされる不二家は、日本の洋菓子文化のパイオニアです。

創業者・藤井林右衛門がアメリカから持ち帰った技術をアレンジして広めた「イチゴのショートケーキ」や、1950年に誕生した「ペコちゃん」は、世代を超えて愛されてきました。

不二家は「増収増益」の好決算、なのになぜ?
意外にも、不二家全体の経営状況は非常に好調です。2025年12月期の連結決算では、売上・利益ともに前年を大きく上回る数字を叩き出しています。
| 項目(2025年12月期) | 実績 | 前年同期比 |
| 売上高 | 1,195億5,800万円 | +8.7% |
| 営業利益 | 28億4,000万円 | +23.6% |
| 当期純利益 | 20億3,100万円 | +21.5% |



好調の要因は、固定費のかかる路面店から、効率的な「スーパー内への出店(インストア型)」や冷凍ケーキ自販機への戦略転換にあります。しかし、戦略的に店舗を拡大している中での「練馬高野台店」の閉店は、原材料費・人件費の高騰に伴う不採算店舗のシビアな整理が進んでいる証左かもしれません。

親会社ピーコックストアも大きな転換期へ

不二家が入居する「ピーコックストア」自体も、いま激動の渦中にあります。
1951年に大丸の出資で誕生したピーコックは、かつては輸入食材が充実した高級スーパーの代名詞でした。しかし、2013年のイオンによる完全子会社化を経て、現在は関東エリア特化の運営となっています。

2026年3月、ピーコックの名が消える可能性も

さらに重要なのが、不二家閉店の直後、2026年3月1日に予定されている経営統合です。
- 吸収合併: ピーコックストア(イオンマーケット)が「マックスバリュ関東」に吸収合併。
- 新社名: 合併後の社名は「イオンフードスタイル」に変更。

ダイエー西台店のように、かつての「ダイエー」ブランドが整理されていく中、今回の不二家の閉店は、ピーコックストア自体のブランド刷新や店舗改装、あるいは経営体制変更に伴う契約見直しが背景にある可能性を否定できません。
地域の風景が変わる瞬間

23年前、2002年に練馬高野台に誕生したこの店舗は、まさに地域の成長と共に歩んできました。
日本の洋菓子文化を築いた「不二家」と、高級スーパーの草分けである「ピーコック」。老舗同士のタッグが駅前から消えるのは、一つの時代の区切りを感じさせます。

「不二家ピーコック高野台店」最終営業日:2026年2月23日
慣れ親しんだペコちゃんの笑顔が見られなくなる前に、最後にお気に入りのケーキを買いに足を運んでみてはいかがでしょうか。





