
成増駅前の喧騒から一歩足を踏み入れると広がる、味わい深い路地裏の飲み屋街。 その一角で親しまれてきた「海鮮居酒屋 竹心(たけしん)増本店」が、2026年2月をもって休店することがわかりました(なりますチャットにて教えて頂きました、どうもありがとうございます)。

店頭に貼り出された案内には、「姉妹店の運営に注力するため、しばらくの間お休みをいただきます」との言葉。完全な閉店ではないものの、あの活気ある空間がしばし姿を消すことに、寂しさを隠せないファンも多いはずです。
変化の波にさらされる成増の「路地裏文化」

竹心さんがあるエリアは、「鳥せい」や韓国料理店、台湾マッサージ、バーなどが軒を連ねる、成増のディープな魅力を凝縮したような場所です。

しかし、角を曲がれば先日惜しまれながら幕を閉じた「匠えん」や「福のから」があった場所など、ここ数年で馴染みの景色が少しずつ、しかし確実に塗り替えられています。
「RC化」という高い壁と個人店のジレンマ


最近の成増駅前を見渡すと、鉄筋コンクリート(RC造)の近代的なビルが目立つようになりました。すずらん通りの「成増マーケット」の取り壊し工事も、その象徴的な出来事と言えるでしょう。
ここで課題となるのが、先ほど触れた「償却コスト」の問題です。
- 建築費の高騰: 強固なRCビルは建設費が嵩みます。
- 家賃への転嫁: オーナー側は高い建築費を回収(償却)するため、家賃を高く設定せざるを得ません。

結果として、高い固定費を支払えるのは資本力のある大手チェーン店ばかりになり、「島人」さんのように木造からRCビルへ移転・継続できる例は稀です。戦後の高度成長期を支えた木造建築が寿命を迎える今、多くの個人店が「建物の取り壊し」とともにその歴史に幕を下ろしています。

「日本の縮図」としての成増、その未来

先日、ビジネスメディア『ReHACQ(リハック)』でも、成増は「日本の縮図であり、マーケティングに適した街」として語られていました。
もし「日本の縮図」が、彩り豊かな個人店が消え、どこにでもある均一なチェーン店ばかりが並ぶ駅前風景を指すのだとしたら、それは少し寂しい未来に思えてなりません。


路地裏に灯る赤提灯や、店主との何気ない会話。効率や償却コストだけでは計れない「街の個性」が、新しく生まれ変わる成増の街に少しでも多く残ることを願わずにはいられません。





