【散策記】「いざ鎌倉!」の道を歩く。早瀬から赤塚へ、時を越える親子旅。

2026年5月、新緑の風に誘われて、子どもと一緒に「鎌倉古道」を歩いてきました。

鎌倉時代、武士たちが「いざ鎌倉」と駆け抜けた道。板橋・練馬エリアには、鎌倉を起点とした「中道(なかつみち)」の枝道が今も息づいています。今回のスタートは、埼玉県戸田市との境にある「早瀬」からです。

失われた道と、受け継がれる「水神宮」

早瀬橋から眺める板橋市場。
水神宮がある新河岸公園。

旅の始まりは、早瀬橋の近くに佇む水神宮。 かつて「早瀬の渡し」にあったこの石碑は、荒川の氾濫から人々を守る祈りの象徴でした。現在は新河岸公園に移設されていますが、ここから赤塚田んぼへと道が伸びていたといいます。

子どもは歴史にはまだ興味がないので新河岸公園で遊ぶ。

高度経済成長期の区画整理により、当時の道筋は地表からは消えてしまいましたが、かつての旅人が川を渡り、いよいよ武蔵野の台地へ足を踏み入れる高揚感を想像しながら歩みを進めます。

笹目橋に突き当たり折り返す道。

「しったり坂」に息づく湧水と歴史の記憶

首都高を越え、赤塚公園の大門地区へ。ここでようやく古道の名残に出会えます。台地を一気に駆け上がる「しったり坂」です。

以前は子どもが泥にはまることもあった湧水も、すっかりきれいに。

坂の脇には、崖線からの湧水が静かに流れています。

  • 嬉しい発見: 東京都によって数年ぶりに泥さらえが行われたそうで、水路はとても綺麗になっていました。
  • 小さな生態系: 透き通った水の中にはサワガニやカワニナの姿が。かつての旅人も、ここで喉を潤したのでしょうか。
しったり坂の向こうにはかつては広大な赤塚田んぼが。

掃除をしていた地元の方にお話を伺うと、かつてはこの坂の下に広大な「赤塚田んぼ」が広がり、高島平という名がつく前は、大門や徳丸の集落から農作業のために人々がこの坂を往来していたそうです。歴史の教科書には載っていない、地域のリアルな記憶に触れた瞬間でした。

台地の上、住宅街に潜む古道の面影

諏訪神社を中心とした大門の住宅。
新大宮バイパスと交差点。

坂を登りきり、大門の諏訪神社の裏手から新大宮バイパスを渡ります。 ここからは、かつての参道や松月院へと続く静かな住宅街。

もしかしたら、鎌倉古道をまっすぐ進む人もいれば、赤塚諏訪神社の境内もかつては大宮バイパスを越えて松月院の裏手に続いていたので、旅の安全を祈念して神社を立ち寄り参道を通る方もいたのではないかと思われます。

松月院幼稚園の裏手の泉福寺と東京大仏通りの交差点。
  • 東京大仏通りとの交差: 松月院幼稚園の裏手あたりで、1970年代に整備された新しい道と交差します(東京大仏が今の場所に移設されたのは1977年)。以前、のぐちやBakeryさんにお話を伺った際に、松月院はかつては隣接していたそうですが、道路整備に合わせて建物をずらしたというエピソードを聞いたことがあります(農業まつりも、1980年代頃はこの東京大仏通りで開催されていました)。
のぐちやさんの前のバス通り(松月院の石柱が隣接する。写真はのぐちやさんに見せて頂いたもの)
  • 上の景色: クリプタ板橋セントソフィアの裏手を進むと、かつては赤塚植物園方面の谷津を一望できたであろう見晴らしの良さが、今も地形から伝わってきます。

途切れた道と、静かに佇む石碑

コープ横の道を前谷津川緑道方面に下る。
赤塚6丁目の公園横の道に抜ける。

「そば松月」の脇を通り、坂を下ると前谷津川緑道へ。 ここで道は少し蛇行します。もしかしたら前谷津川にかかる橋を渡るために少し道がそれているのでしょうか。そして、赤塚6丁目ふれあい公園から再び古道がまっすぐに進みます。

静かな住宅街を進むと、マンションの一角に「鎌倉古道の石碑」がひっそりと。さらに赤塚中央通りの交差点では、古くから道行く人を見守ってきたお地蔵様に出会いました。

赤塚中央通り沿いのお地蔵様。元塚地蔵尊の「元塚」が気になります。

今回のゴール:赤塚の小さなお楽しみ

交差点を渡った先にある少し不思議な曲がり角を抜けると、立派な石像が迎えてくれます。

ここで子どもたちの体力が限界に(笑)。 近くの「コイズミ」さんでお菓子を買い込み、赤塚健康福祉センター隣の公園で、美味しいおやつタイムを楽しみました。


【今回のルートまとめ】 早瀬(水神宮)→ しったり坂 → 諏訪神社付近 → 松月院裏 → 赤塚中央通り(お地蔵様)

アスファルトに覆われた現代の街並みの中に、地形や湧水、そして石碑として残る「武士たちの道」。 次回はさらに南西、下赤塚から練馬北町方面を目指します。

つづく。

この記事を書いた人

なりチャン

なりますチャンネルは、成増をベースに東京の城北エリア(板橋・練馬)の地域情報を地元目線でリアルタイムにお届けしていきます✉「子どもたちが地域の方々と触れあい、地域をもっと好きになってほしい」という想いで2022年頃に始めました。月間55万PV(2026年1月)。