【成増】再び街に増える「SNEVE」の落書き——土地の記憶と、知っておくべき「重い代償」

かつて再開発や建て替えが進む中で、一時的に落書きが増加していた成増周辺。

成増団地の落書き(2025年。現在は修復済み)

特に旧成増団地の残置建物などに描かれた落書きは、地域の治安や景観への影響が懸念され、行政や地域の手によって消去作業が進められていました。

旭町の落書き。

しかし、時が経った2026年7月現在、再び街のあちこちで新しい落書きが目立つようになってきています。

最近、特に目につくのが「SNEVE」という共通の文字(タグ)です。

光が丘公園の記憶と、街の「縄張り」

成増西歩道橋。

電柱、シャッター、街頭設備など、いたるところに残される「SNEVE」の文字。

グラフィティカルチャーにおいては、自身の存在感や縄張りを主張(タギング)する意図があると言われます。

かつてはグラントハイツへの入り口があった場所。

成増のすぐ隣に位置する光が丘公園は、元は日本陸軍の成増飛行場であり、戦後は米軍の家族宿舎「グラントハイツ」となった場所です。1973年の返還後は広大な空き地となっており、若き日の尾崎豊氏が父親の健一さんと自転車の練習をしたり、中学時代に家出して敷地内のスクラップ車で眠っていたところを発見されたというエピソードも残されています。

成増駅の線路沿い駐輪場脇。

そんな自由でどこか無骨な空気を持つ土地柄もあってか、若者の「少し背伸びしたい衝動」がこうした形で噴出してしまうのかもしれません。

しかし、それがどれほど「ちょっとした若気の至り」のつもりであったとしても、近隣住民にとっては明確な迷惑行為であり、重大な犯罪です。

「軽い気持ち」では済まない法的ペナルティ

赤塚新町の電柱。

「たかが落書き」と高を括っていると、取り返しのつかない事態に直面します。街頭への落書き行為には、以下のような厳しい刑事罰が定められています。

■ 落書きに適用される刑事罰

罪名該当するケース(対象物)刑事罰(罰則)
1. 建造物損壊罪
(刑法 第260条)
ビル・マンションの外壁、店舗のシャッター、公衆トイレ、駅舎など5年以下の懲役(拘禁刑)
2. 器物損壊罪
(刑法 第261条)
看板、電柱、自動販売機、ガードレール、案内板、車両など3年以下の懲役(拘禁刑)
または 30万円以下の罰金/科料

刑事罰だけではない「高額な賠償金」

逮捕や処罰(前科)にとどまらず、民事上の原状回復費用(実費)も全額請求されます。

■ 原状回復費用の目安

対象物原状回復費用の目安
シャッター1枚の塗り直し約5万〜15万円
建物の外壁(特殊洗浄・広範囲塗装)約20万〜100万円以上
電柱・街頭設備約3万〜10万円

一箇所あたりの費用は数万円〜十数万円ですが、「SNEVE」のように複数箇所へ連続して書き残している場合、それら全ての被害額が合算されます。結果として、個人への弁済費・賠償請求額が数十万〜数百万円規模に膨らむことも珍しくありません。

防犯カメラが見つめる現代の街で

最近新しくなった養老院前の交番。

現在の成増エリアは、商店街や通学路、防犯ポイントなどに多数の防犯カメラが設置されています。足取りの追跡や人物の特定は非常に容易になっており、「見つからないから大丈夫」ということはまずありません。複数箇所に描けば描くほど、自ら代償を大きくしているようなものです。

地域の美観を損ね、住んでいる人々に不安を与える落書き行為は、一刻も早く辞めてもらいたいものです。

この記事を書いた人

なりチャン

なりますチャンネルは、成増をベースに東京の城北エリア(板橋・練馬)の地域情報を地元目線でリアルタイムにお届けしていきます✉「子どもたちが地域の方々と触れあい、地域をもっと好きになってほしい」という想いで2022年頃に始めました。月間55万PV(2026年1月)。