半世紀の時を経て動く街の記憶――大山・ハッピーロードを貫く「補助26号線」と試掘の足音

東武東上線・大山駅前に広がる「ハッピーロード大山商店街」。

昭和の賑わいを今に伝えるアーケードの一角で、30年以上にわたり地域に愛されてきた「そば処 ごん平」が静かに暖簾を降ろした。近く建物の解体が始まるという。

「店を立ち上げた当初から、いずれ計画道路(補助26号線)のために立ち退く運命だとは分かっていた」

最後の日に店主が語った言葉には、寂しさとともに、この街の運命を受け入れてきた覚悟が滲んでいた。「ごん平」の周囲ではすでに試掘作業の準備が進められており、地下に眠るインフラを調整するための大規模工事がいよいよ現実のものとして迫っている。

アーケード誕生の裏にあった「道」との攻防

今や大山の代名詞とも言えるハッピーロードの全天候型アーケード。その誕生の背景には、皮肉にも今まさに進められている都市計画道路との「攻防」の歴史があったと言われている。車社会へのシフトや道路拡幅の波に対し、歩行者中心の商人の街を守り抜くための象徴として築かれた頭上の巨大構造物――。

それが建設されてから約半世紀。老朽化への対応と再開発が重なり、アーケードの一部解体とともに、いよいよ川越街道から東京都立豊島病院方面へと抜ける幹線道路がつながろうとしている。

変わりゆく周辺環境と、これからの街に求められるもの

豊島病院の周辺に目をやると、新しくなった交番をはじめ、道路開通を見据えた周辺整備が着々と進む。先日は近隣で外国人ドライバーによる痛ましい交通事故が発生したばかりだ。路上駐車や視界の悪さが課題視されてきたエリアだけに、新たな道路の開通によって交通流が整理され、痛ましい事故が減ることを地域住民は切に願っている。

「ごん平」をはじめとする名店たちの記憶と、安全で近代的な都市インフラへの刷新。大山の街は今、半世紀に一度の大きな時代の分かれ目を迎えている。

この記事を書いた人

なりチャン

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