【銭湯訪問】北町で70年近く愛される銭湯「桑の湯」へ。広い湯船と薪のぬくもりに癒やされる

練馬区北町にある銭湯「桑の湯」を訪れました。

東武東上線・下赤塚駅から歩いて約5分。住宅街の中に現れる桑の湯は、昔ながらの銭湯らしい雰囲気を残しながらも、大きな建物と開放感のあるガラス張りが印象的です。

北町で長年、地域の人たちに親しまれてきた桑の湯。伺った話によると、70年近くにわたってこの地で銭湯を営んできたといいます。

番台には蚊取り線香。昔ながらの銭湯の風景

中に入ると、そこにはどこか懐かしい空気が流れています。

番台には蚊取り線香。

2026年8月1日から東京都内の公衆浴場の料金が改定され、大人の入浴料金は600円になりました。それまでの550円からの値上げです。

それでも600円で広い湯船にゆっくりと浸かれると思えば、銭湯は今でも地域にとって貴重な場所なのではないでしょうか。

大きな湯船の薬湯。じんわりと体が温まる

桑の湯のお風呂は、広々とした浴槽が印象的です。

この日は大きな薬湯にゆっくりと浸かりました。

温かいお湯に足を伸ばしていると、少しずつ体の芯まで温まっていくような感覚があります。

練馬区の銭湯公式サイトでは、桑の湯について「明るくて全て浅い浴槽で安全入浴!」と紹介されています。

深い浴槽ではなく、入りやすい造りになっているのも特徴の一つです。

桑の湯では地下水を利用し、薪を使って湯を沸かしているとのこと。

建物の横には、現在も木材や廃材と思われるものが置かれていました。

こうしたものも、長年続く銭湯の営みを支える燃料として使われているのかもしれません。

北町や田柄は、かつて畑が広がる地域だった

桑の湯がある北町から田柄周辺にかけては、現在では住宅が建ち並んでいます。

しかし、かつては畑が広がる地域でした。

この地域の農家にはそれぞれ井戸があり、水を利用して暮らしていたといいます。

「こちらで水が出るときは、あちらでは水が出ない」

そんな言葉からも、この地域には地下の水の流れや水脈があり、それぞれの場所で水の出方にも違いがあったことがうかがえます。

昔は銭湯を中心に、人と店が集まっていた

伺った話によると、かつてこの地域には、少し歩けば次の銭湯があるほど、多くの銭湯が営業していた時代もあったそうです。

現在では想像しにくい風景ですが、内風呂がまだ一般的ではなかった時代、銭湯は生活に欠かせない場所でした。

そして銭湯は、単に体を洗うだけの場所ではありません。

人が集まれば、その周辺には自然と店が生まれます。

買い物をする人。

仕事帰りに風呂へ向かう人。

風呂上がりに一杯飲む人。

そこには、地域の暮らしそのものがあったのではないでしょうか。

かつては反対側に入口があったという

現在、桑の湯の入口は通り沿いにあります。

しかし、かつては反対側にも入口があったといいます。

その周辺には細い小道があり、一杯飲み屋などもあったそうです。

風呂に入って、さっぱりしたあとに一杯。

今よりも畑が多く、周囲を遮る建物も少なかった時代。

きっと風がよく通り、今とはまた違った北町の風景が広がっていたのでしょう。

銭湯へ向かう人がいて、その帰りに立ち寄る店がある。

そんな日常の積み重ねの中に、小さな地域コミュニティが生まれていたに違いありません。

減り続ける銭湯。それでも残る地域の居場所

現在、銭湯の数は少なくなっています。

各家庭に風呂があることが当たり前になり、昔のように毎日銭湯へ通う生活は少なくなりました。

それでも、桑の湯のような銭湯には、家庭のお風呂とは違う魅力があります。

広い湯船。

足を伸ばして浸かる時間。

そして、そこにいる地域の人たち。

銭湯はお湯に入る場所であると同時に、長年にわたって地域の人々の暮らしを見つめてきた場所でもあります。

北町や田柄に畑が広がっていた時代から、住宅地へと姿を変えた現在まで。

桑の湯には、この地域の変化を静かに見続けてきた時間があるのかもしれません。

たまには家庭のお風呂ではなく、広い湯船でゆっくりと足を伸ばしてみる。

日頃の疲れを癒やし、じんわりと体を温める。

そんな時間を過ごしに、北町の「桑の湯」を訪れてみてはいかがでしょうか。


桑の湯 店舗情報

super night

住所:東京都練馬区北町8-5-2

アクセス:東武東上線「下赤塚駅」から徒歩約5分

営業時間:15:00~22:00

定休日:月曜日(祝日は営業)

入浴料金:大人600円

特徴:明るく、浴槽はすべて浅めで入りやすい造りと紹介されています。

この記事を書いた人

なりチャン

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