2026年9月6日、成増駅で東武東上線の新型車両「90000系」の試運転列車に遭遇しました!

いよいよ2026年9月26日(土)の営業運転開始を控え、新型車両への期待がますます高まっています。
実際に目の前で見る90000系は、これまでの東武東上線の車両とはひと味違う、独特の存在感を放っていました。

そして、この新型車両について調べていくと、そこには単なる「新しい電車」の話だけではない、東上線沿線の長い歴史が隠されていました。
キーワードは、「舟」。
新河岸川の舟運、東上鉄道の建設に尽力した星野仙蔵氏、そして2026年夏、『24時間テレビ』のチャリティーマラソンを走り切った俳優・星野真里さん――。
90000系をきっかけに、時代を超えた地域の物語をたどってみました。
子どもが気づいた「新幹線とは逆?」独特な先頭デザイン

一緒にいた子どもが、90000系を見た瞬間に素朴な疑問を口にしました。
「車両の前の方が斜めになっているね。新幹線とは逆向きみたい!」

確かに、90000系の先頭部分は非常に特徴的です。
前へ長く伸びていくような一般的な流線型とは異なり、前面下部から上に向かって反り上がるような独特のフォルム。
これは単に目新しさを狙ったデザインではありません。
そこには、東武東上線沿線の歴史につながる、大切なストーリーが込められていました。
コンセプトは「地域と人と未来をつなぐ わたし舟」

90000系のデザインコンセプトは、
「地域と人と未来をつなぐ わたし舟」
です。
東上線エリアでは、鉄道が地域の交通を担う以前、荒川や新河岸川の「舟運」が、人や物流を支える重要な役割を果たしていました。

川を行き交う舟が、人と物を運び、地域と江戸をつないでいた時代。
90000系は、そんな東上線沿線のルーツともいえる舟運の歴史に着目して誕生した車両なのです。
そして、90000系で最も目を引く先頭形状は、高瀬舟の舟底から着想を得たもの。
前面下部から反り上がるように丸みを持たせた特徴的な形状には、かつて川を行き交った舟のイメージが重ねられています。
まさに、地域の歴史を現代の鉄道デザインとして表現した車両といえそうです。
車内にも息づく「舟運」と「和」の世界観

90000系の魅力は、外観だけではありません。
車内にも、日本の伝統や自然を感じさせるデザインが取り入れられています。
座席まわりの袖仕切りには、伝統的な文様である「立涌(たてわく)柄」を採用。

さらに、和の世界観を意識した床面のデザインや、大型ガラスを活用した開放感のある空間づくりも特徴です。
床方向まで広がったドア窓なども採用され、明るく広々とした車内空間が演出されています。
歴史を感じさせる「舟」のモチーフと、最新車両としての快適性。
その両方を組み合わせているところが、90000系の面白さなのかもしれません。

かつて川と舟が人と街をつないだように、これからは90000系が地域と人、そして未来をつないでいく。
そんな思いが、「わたし舟」という言葉に込められているように感じます。
新河岸川の舟運から東上鉄道へ――星野仙蔵という人物

そして、この90000系の「舟運」というテーマを調べていくと、東上線の歴史を語るうえで欠かせない人物にたどり着きます。
それが、福岡河岸の回漕問屋「福田屋」の十代目当主、星野仙蔵氏です。

現在の埼玉県ふじみ野市にある福岡河岸は、新河岸川舟運の拠点として栄えました。
江戸と川越周辺を結ぶ新河岸川では、多くの舟が人や物資を運び、河岸場は地域経済を支える重要な場所でした。
その福岡河岸で営まれていた回漕問屋が「福田屋」です。
そして、その歴史に名を残す人物の一人が星野仙蔵氏でした。
舟運の時代を知りながら、鉄道の未来を見据えた

星野仙蔵氏の物語で興味深いのは、舟運に関わる地域で活動しながら、その一方で鉄道という新しい時代の交通機関にも力を尽くしたことです。
東上鉄道の建設にあたり、星野仙蔵氏は地域の発展を見据え、建設資金への協力や鉄道用地の確保などに尽力したとされています。
つまり、地域の歴史をたどると、
新河岸川を舟が行き交う時代
から、
東上鉄道が地域を結ぶ時代
へと、大きな交通の変化がありました。

そして、その転換期を支えた人物の一人が星野仙蔵氏だったのです。
舟が運んだ人と物。
その役割を、やがて鉄道が担っていく。
90000系の「わたし舟」というコンセプトを知ると、この歴史のつながりがより興味深く感じられます。
星野真里さんへとつながる「星野」の物語

そして、この歴史をさらに現在へとつなげてくれるのが、俳優の星野真里さんです。
ふじみ野市ゆかりの星野真里さんと、福岡河岸や新河岸川舟運の歴史。

そして、東上鉄道の建設に尽力した星野仙蔵氏。
90000系のデザインテーマである「舟運」をきっかけに地域の歴史をたどっていくと、「星野」という名前を通じて、過去から現在へと続く物語が見えてきます。
さらに、2026年8月には、星野真里さんが大きな注目を集めました。
2026年夏、『24時間テレビ』チャリティーマラソンを完走

星野真里さんは、2026年8月29日・30日に放送された『24時間テレビ49』で、チャリティーランナーを務めました。
多くの人たちの応援を受けながら走り続け、8月30日、両国国技館で感動のゴールを迎えました。
今回のチャリティーマラソンには、子どもたちの未来への思いも込められていました。

星野さん自身が「私が走ることで、どうすればもっと優しい世の中になるのかを考えるきっかけになればうれしい」と語り、最後まで走り抜いた姿は、多くの視聴者の心に残ったのではないでしょうか。
新河岸川の舟が人と街をつなぎ、東上鉄道が地域をつなぎ、そして現代では星野真里さんが多くの人の思いを背負って走った。
もちろん、それぞれは違う時代、違う出来事です。
しかし「人と人をつなぐ」という視点で見てみると、不思議なほど重なるものがあります。
舟から鉄道へ、そして未来へ

ここで改めて90000系のコンセプト、
「地域と人と未来をつなぐ わたし舟」
を思い出します。

かつて、新河岸川を高瀬舟が行き交った時代。
その後、東上鉄道が開通し、地域の人々の暮らしを支える時代へ。
そして100年以上の時を経た2026年。
その舟運の歴史をデザインテーマにした新型車両「90000系」が、東武東上線を走り始めます。
試運転中の90000系を成増駅で眺めていると、ただ「新しい電車が来た」というだけではなく、地域の長い歴史が一本の線でつながっているようにも感じました。
9月26日(土)デビュー!新たな東上線の顔に注目

歴史の記憶を現代のデザインとして取り入れた東武東上線の90000系。
成増駅で試運転中の車両を眺めながら、子どもに、
「昔は、この地域では川を舟が走っていたんだよ」
「そして、その舟の時代から電車の時代へ変わっていったんだよ」
と話してみると、目の前の電車が少し違って見えてくるような気がしました。
ただ新しい車両が走り始めるだけではない。
90000系には、この地域で長い間受け継がれてきた「人と街をつなぐ」という役割が重ねられています。
かつて新河岸川を舟が行き交い、人と物を運んだように。
そして東上鉄道が誕生し、地域の人々の暮らしを支えてきたように。
これからは90000系が、新しい時代の東上線を走っていきます。
営業運転開始は、2026年9月26日(土)予定。
成増駅や東上線沿線で90000系を見かけた際は、ぜひその特徴的な「舟」を思わせるデザインとともに、新河岸川から続く地域の歴史にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。







