東京都北区の北端、赤羽からほど近い場所に位置する「桐ケ丘団地」。

高度経済成長期を支えたこの巨大マンモス団地がいま、2028年春の完成を目指す「北区桐ケ丘一丁目地区まちづくりプロジェクト」によって、その姿を大きく変えようとしています。

■ 昭和の「生活の中心」から、次世代の「拠点」へ

現在、団地の赤羽寄りには広大な空き地が広がっています。ここが、東京都と民間企業が連携して進める再開発の舞台です。


事業予定者として選ばれたのは、イオンリテールを中心とするグループ。


地上2階建て、延べ面積約7,400㎡の施設には、以下の機能が盛り込まれる計画です。
- 商業施設: スーパーマーケット、ドラッグストア、飲食店
- 医療・福祉: クリニック、訪問診療、デイサービス、フィットネス
- 交流スペース: 区民センターや図書館と連携した緑のオープンスペース
かつて「ここに来れば何でも揃った」と言われた商店街の活気を、令和の形で再現しようとする試みです。
■ 閉ざされた上階と、今を生きる商店街


一歩、既存の住棟に足を踏み入れると、時間の流れが緩やかになります。

50年以上の月日を重ねた建物は、高島平や成増の団地を彷彿とさせる重厚な佇まいですが、2階以上の居住階はすでに閉鎖され、ひっそりと静まり返っています。
しかし、1階の商店街には、今も力強い「生活の鼓動」があります。

シャッターの閉まった店も目立ちますが、近年ではアジア系移住者の方々が増え、インドやネパールの食材を扱うハラールショップが登場。

リサイクルショップの軒先にはシルバーカー(手押し車)が並び、住民の年齢層や多文化共生という「今の団地のリアル」が鏡のように映し出されています。
■ 聖地となった玩具店「Toyshopふくしま」


桐ヶ丘団地の中にはテレビでも度々登場する有名な桐ヶ丘中央商店街があります。



商店街の中で人気のお店が「Toyshopふくしま」さんです。 元は天ぷら屋として創業し、ゲームセンターを経て玩具店となって30年以上。

店内には、テレビのロケ等で訪れた数多くの有名人の色紙が並び、今や「聖地」のような存在になっています。

「NEWSの中丸くんが来たのを見て、北関東から来ました」というファンや、テレビをきっかけに訪れるカップルなど、ご主人と話している間にも客足が絶えません。


最新のベイブレードから昔ながらのお菓子までが並ぶその空間は、単なる店を超えた「地域の案内所」のような温かさに満ちています。
「まだ現役で働けるうちは、この場所で働き続けたい。」

再開発で近代的な高層建築への建て替えが進む中、ご主人の言葉には、この場所で商いを続けてきた自負と愛着が滲んでいました。

■ 「お山の公園」が物語る、団地の寿命


団地中央にある「桐ヶ丘中央公園」。 昭和の頑丈なコンクリートで作られたお山も、数十万人の子供たちが何万回と登り降りしたことで、表面は少しずつ剥げています。
その姿は、同じく再開発が予定されている板橋区・高島平団地の33街区にある公園とも重なります。

高度経済成長期のベッドタウンとして誕生した街が、一斉に建物の寿命を迎えようとしている現実。公園の山は、その歴史の目撃者そのものです。

■ さいごに:新河岸川沿いに想う


帰路、小豆沢を抜け、新河岸川沿いを成増へと向かいました。

かつての船着き場が静まり返り、個人商店と巨大マンションが混在する小豆沢の街並み。時代と共に、街の機能は「集約」と「更新」を繰り返していきます。

2028年、イオンができ、新しい図書館やクリニックが稼働する頃、桐ケ丘の風景はどう変わっているのでしょうか。


シャッターに描かれた千原ジュニアさんや、くっきー!さんたちの鮮やかなペイントが、新しい街の景色の中にどう溶け込んでいくのか、見守っていきたいと思いました。

おまけ 小豆沢の由来




東京水辺ラインは、2026年1月19日(月)から全便が運航を休止しています。 主な理由は、長年使用してきた船体の老朽化が進み、複数の船を廃船にする必要があるためです。安全な運航を継続するための苦渋の決断とされています。



小豆沢公園や荒川沿いの散策とあわせて水上バスを楽しまれていた方にとっては寂しい期間となりますが、2026年の夏に新しい姿で再開されるのが待たれます。地域のイベントや散策の計画を立てる際は、以下のサイトから情報をチェックしてみてください。








