【ラーメン@ときわ台】借金3600万からの逆転劇。3ヶ月熟成の白味噌スープが体に染みる「さっぽろラーメン桑名」。

2026年5月、初夏の風が吹き抜ける東武東上線ときわ台駅。線路沿いを中板橋方面へ少し歩くと、力強い筆致の暖簾が目に飛び込んできます。

今回訪れたのは、「さっぽろラーメン桑名」。 先日、日本テレビ系の『news every.』でも特集され、大きな反響を呼んだお店です。一杯のどんぶりに込められたのは、単なる美味しさだけではない、ある家族の壮絶な歴史と深い絆の物語でした。

「命を懸けたどん底の味」借金3600万円からの再起

店内に掲げられた「全品味に命を懸けました」という言葉。その背景には、1990年の創業当時に起きた波乱のドラマがあります。

先代(祖父)が知人の保証人となり、背負った借金は3600万円。 まさに「どん底」の状態から、家族を守るために背水の陣で挑んだのがラーメン店でした。

2年間にわたる研究の末に完成したスープは、またたく間に評判を呼び、なんとわずか5年で完済。この「伝説の味」が、今の桑名の礎となっています。

亡き主人の夢を叶えるため、東京へ

ときわ台にお店がオープンしたのは2017年。 実は、東京進出は亡きご主人の悲願でした。「夫の夢をかなえたい」――その一心でおばあちゃんは単身、札幌から東京へ。

しかし、ラーメン作りは過酷な重労働です。そんな彼女を支えるため、「おばあちゃんを助けたい」と高校を辞めてまで東京へ駆けつけたのが、当時のお孫さんでした。

おばあちゃんから厳しく叩き込まれ、時には「札幌へ帰れ」と突き放されながらも、修行を続け、今では立派に一人前となり、おばあちゃんと孫娘の二人三脚で、この伝統の味を守り続けています。

3ヶ月熟成。こだわりの「白味噌」と「西山製麺」

運ばれてきた一杯は、芳醇な味噌の香りが立ち上ります。

  • スープ: 豚骨を強火で数日間炊き込み、野菜の甘みを極限まで引き出した自慢の白湯。
  • 味噌ダレ: 北海道産の純正無添加味噌をベースに、3ヶ月もの間じっくりと熟成。トゲのない、まろやかなコクと深みがあとを引きます。
  • 麺: 札幌ラーメンといえばの「西山製麺」に特別注文した、上級粉使用の中太たまご麺。プリッとした食感でスープがよく絡みます。

一口食べれば、濃厚ながらも後味は優しく、まさに「家族の優しさ」を感じる味わい。3ヶ月熟成させた白味噌のまろやかさは、一度食べると忘れられません。

親から子へ、そして孫へ。受け継がれる暖簾

現在は、新宿御苑店の閉店という苦難を乗り越え、札幌店とときわ台店の2店舗を経営されています。取材時、お孫さんは札幌店を支えるために現地で奮闘中とのことでしたが、ここ板橋の地にも、その確かな精神は息づいています。

「自分の思いがどこまで通用するか試したい」という先代の情熱、そしてそれを支える家族の絆。

ときわ台の線路沿いで守られる、黄金色のスープ。 みなさんも、その暖簾をくぐって「家族の強さ」が詰まった一杯を味わってみてはいかがでしょうか。


【店舗情報】さっぽろラーメン桑名 ときわ台店

  • 場所: 東京都板橋区常盤台1-60-3(ときわ台駅から徒歩約3分)
  • 主なメニュー: 味噌ラーメン、醤油ラーメン、塩ラーメン
  • こだわり: 西山製麺特注麺、3ヶ月熟成北海道産白味噌使用

【あわせてチェック】変わりゆくときわ台駅周辺の街並み

「さっぽろラーメン桑名」がある線路沿いエリアを含め、ときわ台駅周辺は今、少しずつその姿を変えています。

天祖神社と「森の番所」の節目

Xより引用。

ときわ台の象徴である「天祖神社」では、コミュニティ施設「森の番所」が20周年という大きな節目を迎えました。これまでの歩みを神前に報告する「プロセス奉納」が行われるなど、新しく移り変わる街の中でも、守るべき伝統とコミュニティの絆が大切に受け継がれています。

新旧交代するラーメン店

駅前にあった「博多ラーメン長浜や」が惜しまれつつ閉店。一方で、同じく線路沿いには新しく「なみ汐」がオープンするなど、麺愛好家にとっては目が離せない状況が続いています。

「居酒屋金ちゃん」とレトロな街並み

駅前には、芸人・鬼越トマホークの金ちゃんの実家として知られる名店「居酒屋金ちゃん」が今も暖簾を掲げます。この界隈は趣のある古い建物が多い通りですが、少しずつ建て替えが進んでおり、昭和の面影と新しい息吹が混在する、今だけの景色が広がっています。

この記事を書いた人

なりチャン

なりますチャンネルは、成増をベースに東京の城北エリア(板橋・練馬)の地域情報を地元目線でリアルタイムにお届けしていきます✉「子どもたちが地域の方々と触れあい、地域をもっと好きになってほしい」という想いで2022年頃に始めました。月間55万PV(2026年1月)。