リニューアルした板橋区立郷土資料館へ。新しくなったエレベーターと「常盤台の街と写真館」

板橋区赤塚にある板橋区立郷土資料館が、2026年8月21日(金)から再開館しています。

今年5月8日から8月20日までは、エレベーターおよび空調設備の工事のため休館していました。

工事が完了したということで、再開館後の郷土資料館を訪れてみました。

場所は赤塚城跡や赤塚溜池公園に隣接した、板橋の歴史を感じられるエリアです。

エレベーターが新しくなっていました

今回の工事で、館内のエレベーターが新しくなっていました。

設備面が更新され、より利用しやすい施設になったようです。

一方、展示については、今回の再開館で大きく変わったという印象はありませんでした。

ただ、以前からの展示の中にも、板橋の歴史を知るうえで興味深い資料がいろいろあります。

今回、個人的に気になったのが「成増露頭」の貝の化石と、旧板橋宿にあった「新藤楼」の玄関です。

個人的に気になった「成増露頭」の貝化石

成増露頭は、板橋区の地形や地質を知るうえで重要な場所です。

板橋区の南側には武蔵野台地が広がり、北側には荒川低地があります。

その間には20メートル以上の高低差をもつ崖が続いています。

成増露頭では、地層を直接観察することができたため、地質学や古生物学などの調査・実習の場として利用されてきました。

そして、地層からは貝の化石が見つかっています。

現在の板橋からはなかなか想像できませんが、こうした化石は、かつてこの地域が海であったことを考える手がかりになります。

もう一つの見どころ、新藤楼の玄関

もう一つ、個人的に興味深いのが「新藤楼」の玄関です。

新藤楼は、明治時代の板橋宿にあった大規模な貸座敷です。

郷土資料館には、かつての新藤楼の唐破風造りの玄関部分が移築・保存されています。

建物は明治19年(1886年)に建てられたものとされ、板橋区内に残る明治期の建築としても貴重な資料です。

玄関部分は1974年(昭和49年)に現在の郷土資料館へ移築され、その後、保存修理も行われています。

実際の建築物が残されているため、当時の板橋宿の様子を想像しながら見ることができます。

地層から出てきた貝の化石と、明治時代の板橋宿を伝える建築物。

時間のスケールがまったく違う二つの資料が、同じ郷土資料館で見られるのも面白いところです。

2階では「常盤台の街と写真館」展

再開館後、2階の企画・特別展示室では企画展「常盤台の街と写真館」が始まりました。

会期は2026年8月29日(土)から10月4日(日)まで。

入館は無料です。

テーマとなっているのは、昭和10年代に計画的につくられた「常盤台住宅地」の成立と、そこに暮らした人々の生活。

常盤台の分譲時(個人蔵)

地域の写真館が記録してきた写真を通して、当時の常盤台の街や人々の暮らしを見ることができます。

現在の街並みだけを見ていると分からない、かつての常盤台。

写真という身近な資料から街の歴史をたどることで、住宅地がどのように生まれ、そこにどんな人々が暮らしていたのかを具体的に感じられる展示です。

9月には「お月見ナイトミュージアム」

そして、再開館後のイベントとして注目したいのが「お月見ナイトミュージアム」です。

開催日は、

  • 9月25日(金)17:00~20:00
  • 9月26日(土)10:00~20:00
  • 9月27日(日)10:00~20:00

となっています。

会場は郷土資料館だけではありません。

赤塚城跡、赤塚溜池公園、そして隣接する板橋区立美術館まで含め、赤塚一帯を舞台にしたイベントです。

郷土資料館では、ナイトミュージアム、ワークショップ、昔遊び、ミニ縁日、語り部などが予定されています。

赤塚城跡では、お月見のほか、竹を使ったライトアップも行われます。

赤塚溜池公園にはキッチンカーも出店する予定です。

さらに、隣接する板橋区立美術館も夜間開館し、ワークショップを実施する予定となっています。

単純に「郷土資料館を夜まで開ける」というイベントではなく、資料館、城跡、公園、美術館を一体として楽しむ企画になっているところが面白いと思います。

玉虫捕まえた。

特に、赤塚城跡を竹のライトアップで演出し、そこで月を見るという構成は、歴史、自然、文化を組み合わせた赤塚らしいイベントです。

「モノ」から「体験」へ?

最近、板橋区の公共施設を見ていると、展示物を並べて見てもらうだけではなく、イベントやワークショップなどを組み合わせて、地域の歴史や文化を体験してもらう方向が強くなっているように感じます。

以前からある資料を大切に保存しながら、それをどう現在の人たちに届けるか。

今回の郷土資料館も、エレベーターや空調設備という「ハード」の改修だけでなく、再開館後の企画展や「お月見ナイトミュージアム」といった「ソフト」の展開が目立ちます。

最近では教育科学館などでも、展示を見るだけでなく、人やイベント、体験を通して楽しむ方向への変化を感じることがあります。

郷土資料館も、これから新しい動きが出てくるのかもしれません。

秋の赤塚で、歴史を感じてみては

エレベーターや空調設備の工事を終え、再開館した板橋区立郷土資料館。

現在は企画展「常盤台の街と写真館」も開催され、9月には「お月見ナイトミュージアム」も予定されています。

暑さが少しずつ和らぐこれからの季節は、赤塚城跡や赤塚溜池公園を散策するのにもよい時期です。

郷土資料館で板橋の歴史や文化に触れ、赤塚城跡や周辺の風景を歩いてみる。

この秋、文化と歴史を感じに、赤塚を訪れてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

なりチャン

なりますチャンネルは、成増をベースに東京の城北エリア(板橋・練馬)の地域情報を地元目線でリアルタイムにお届けしていきます✉「子どもたちが地域の方々と触れあい、地域をもっと好きになってほしい」という想いで2022年頃に始めました。月間55万PV(2026年1月)。