板橋から世界へ!「創造性を育む場」へと進化した教育科学館チーム、関東大会で快挙

2025年12月14日、横浜で開催された「ファースト・レゴ・リーグ(FLL)2025-26 関東大会」。板橋区教育科学館から出場したチームが、世界大会常連の強豪を抑えて総合2位に輝き、全国大会への切符を手にしました。

挑戦の背景:教育委員会からの打診と「ものづくり文化」

板橋区教育科学館がFLLへの参戦を決めたのは2018年のこと。板橋区が掲げる「教育のIT化」や「ものづくり文化」の象徴として、館が直接チームをプロデュースする形でメンバー募集が始まりました。

きっかけは、教育委員会のロボット工学を専門とするメンバーの方からの打診でした。科学館ではレゴを使ったプログラミング教室を行っていたことから、その知見を活かし、館として正式に挑戦することが決まりました。

苦闘の黎明期:クワちゃんが語る「手探りの第一歩」

右がクワちゃん、左がかえちゃん

2018年の立ち上げ当初、中心となって携わっていたのがスタッフの「クワちゃん」です。当時は今のようなノウハウもなく、まさにゼロからのスタートでした。

普段の教育科学館での練習風景。

クワちゃんは当時を振り返り、こう語ります。 「まずはFLLの競技内容や審査基準をしっかりと理解することから始めました。プレゼンも全くの手探りで、当時は試合に間に合わせるだけで精一杯。最後は人手不足を補うために、親御さんたちにも掲示物の作成を手伝っていただき、ギリギリで形にできたんです」

親御さんが制作された競技ステージ。

この「全員野球」で駆け抜けた初年度の経験が、今のチーム運営の礎となりました。

かえちゃんの想いとしみてるの決断:全員で挑む「3チーム体制」へ

FLL2025関東大会の様子。

2023年には滑り込みで全国大会に出場したものの、結果は40チーム中40位。全国最下位という現実に、チームは変革を迫られました。

Instagramより引用

転機となったのは2025年シーズン。10名の定員に対し、21名もの応募が殺到したことです。

現場を率いるスタッフの「かえちゃん」は、参加を希望する子どもたちの熱意をどうしても形にしたいと考え、清水館長(しみてる)に相談。

館長のしみてる。

しみてるは「みんなの想いを大切にしよう」と、全員が参加できる3チーム体制(縄文ズ、メガハニワズ、結束バンド)へのゴーサインを出しました。

子どもたちの成長:大人の想像を超えた「底力」

FLL2025関東大会の会場。

FLLは、自律型ロボットでミッション攻略に挑む「ロボットゲーム」、社会課題の解決策を提案する「イノベーション・プロジェクト」、そして「ロボットデザイン」とチームワークを評価する「コアバリュー」の4部門で構成される総合競技です。

FLL2025の会場。

特にプレゼンテーション審査は、大人の助けを借りず、子供たちだけで審査員の前に立ち、自分たちで作ったスライドを使って説明しなければなりません。

FLL2025の開会式。

「一人ひとりのメンバーが、私の想像をはるかに超える力を発揮してくれました」とかえちゃんは語ります。

FLL2025の様子。
  • 緊張を乗り越えたプレゼン: 審査室の張り詰めた空気の中、子供たちは自分たちのアイデアを懸命に伝えました。大人でも足がすくむような状況で、自律してスライドを操り、自分たちの言葉で質疑応答に答える姿に、この数ヶ月の確かな成長が見て取れました。
  • 悪条件を跳ね返す判断力: ロボット競技でも、台の凹凸という不測の事態に対し、子供たちは自分たちでマシンを微調整。現場で冷静に判断を下し、修正していくプロセスも評価されました。
競技ステージ。

強豪の間に割って入る快挙!「結束バンド」総合2位

教育科学館チーム 結束バンド(2位)
結束バンドが作ったカードゲーム

結果発表の瞬間、会場に驚きが走りました。世界大会常連であり、圧倒的なプログラミングスキルを持つ「FIRST FUJISAN」が1位、同じく板橋区の誇る強豪「TEAM NARI-ITA Aster」が3位となる中、その間に教育科学館の「結束バンド」が総合2位で割って入ったのです。

教育科学館チーム 縄文ズ
教育科学館チーム メガハニワ

また、他の2チーム(縄文ズ、メガハニワズ)も、全国大会出場圏内まであと一歩というところまで迫る大健闘を見せました。 「試合で負けたチームが悔し涙を流していたのが印象的でした。それだけ全員が本気だったんです」とかえちゃんが語る通り、そこには自らの力で強豪と渡り合えるまでに成長した子どもたちの姿がありました。

次なる舞台、全国大会へ

会場の熱気に包まれた雰囲気。

自らの力で堂々と勝ち取った、今回の全国大会。

「いい意味で、まだ全国の壁を知らない彼らには、この自信を胸に全力でぶつかってほしい。世界大会への出場を信じています」とかえちゃんは期待を寄せます。

左がかえちゃん、右がクワちゃん。

全国大会に向けては、関東大会で審査員から受けたアドバイスをもとに、イノベーション・プロジェクトのプレゼンテーションをさらにブラッシュアップする予定です。クワちゃんが切り拓き、しみてるが背中を押し、かえちゃんと子どもたちが花開かせたこの挑戦。板橋区全体でFLLを盛り上げながら、さらなる高みを目指します。

この記事を書いた人

なりチャン

なりますチャンネルは、成増をベースに東京の城北エリア(板橋・練馬)の地域情報を地元目線でリアルタイムにお届けしていきます✉「子どもたちが地域の方々と触れあい、地域をもっと好きになってほしい」という想いで2022年頃に始めました。月間40万PV(2025年10月)。