東京都板橋区。ここは、かつてとんねるず・石橋貴明が駆け抜け、サンドウィッチマンが夢を追い、そして今、板橋ハウスやカナメストーンが新しい笑いを発信している街です。
なぜ板橋はこれほどまでに多くのお笑い芸人を惹きつけるのか。その理由と、ゆかりの面々を紐解きます。
【レジェンド】板橋・成増に根を張った爆笑王とカリスマ
■とんねるず 石橋貴明
- 出身:成増小学校、赤塚第二中学校、帝京校。
- 成増への移住と多感な時期 葛飾区生まれだが、幼少期に父の会社の倒産により板橋区成増へ移住。地元公立の成増小学校・赤塚第二中学校で過ごした。エスパー伊東さんは成増小学校の一つ先輩。
- 伝説のデビューアルバム『成増』 1985年、自身のルーツをタイトルに冠したデビューアルバム『成増』をリリース。
- 貴チャンネルでの凱旋:貴チャンネルの2周年記念で成増に凱旋されました。成増小学校や以前住んでいた家を訪れ、最後は奥州軒で同級生と談話しています。
- 板橋芸人:デビュー当時から「成増」「板橋」「東武東上線」といった地名をネタやトークに執拗に織り交ぜた。特に『とんねるずのみなさんのおかげでした』等で、地方出身芸人に対して「お前、板橋だろ!」「東上線だろ!」と弄ることで、それまで地味だった板橋を「お笑いエリートの輩出地」という独自のブランドに変貌させました。
■坂上二郎さん
■蛭子能収
- 上京して最初に住んだのが成増。競艇とパチンコで資金を溶かした破天荒なエピソードの地であり、今でも思い出の街として語っています。競艇で勝つとスキップ村のやまだやさんの暖簾をくぐったそうです。
- 動画
【中核】街の風景を変えた実力者たち
■おぎやはぎ 小木博明
- 出身地: 板橋区常盤台。
- 学歴: 板橋区立常盤台小学校、板橋区立上板橋第一中学校、東京都立北野高等学校卒業。北野高校時代に後に相方となる矢作さんと出会う。
- ときわ台と芸風:幼少期から「東側の田園調布」とも呼ばれる常盤台の落ち着いた住宅街で医業に携わる家系で育ちました。彼の持つ独特の「余裕」はこの街の空気感から育まれたのかもしれません。
■サンドウィッチマン(伊達みきお・富澤たけし)
- 大山の木造アパートで10年間同居。M-1優勝時も大山在住で、ハッピーロード大山での凱旋パレードは伝説となっています。今でも「第二の故郷」として大山を愛し続けています。
- 大山周辺にサンドイッチ店が多いのは、サンドさんの影響か!?
令和の「板橋カルチャー」を作る芸人たち
SNSやYouTubeを通じて、今の板橋のリアルな空気感を全国に届けている若手芸人たちです。
■鬼越えトマホーク 金ちゃん
- 出身:板橋区東武練馬育ち。徳丸小学校、赤塚第一中学校、東京都立高島高校卒業。
- 幼少期の芸能活動:父親の関係もあり幼少期から子役として活動しており、KinKi Kids主演の「ぼくらの勇気 未満都市」等にも出演(子役時代は内山信二くんがライバル)。
- 辻ちゃんと同じ中学校:辻ちゃんと同じ小学校、中学校出身(辻ちゃんが2つ下)で、小学校時代には地域の民間学校で一緒に旅行に行ったことがあるとか。
- 「居酒屋 金ちゃん」:両親はときわ台南口で居酒屋を営む。同じく芸人の大トニー(マテンロウ)の父親が「居酒屋 金ちゃん」の常連客だったため、大トニーとは芸人になる前からの縁。なお、父は、40年間演歌歌手として活動する「KIN-CHAN」。美川憲一さんのマネージャーを一時期務めていた。代表曲は『常盤台ブルース』『常盤台ラプソディー』。
- 高校の野球部: 野球部に所属。1学年上の先輩にはゴールデンボンバーの喜矢武豊さんがおり、現在もSNSで交流を明かすなど、板橋の学校が生んだ繋がりを持っています。
- サンドイッチマンにあこがれて芸人へ:大山に住んでいたサンドイッチマンがM-1で優勝した姿にあこがれて芸人を目指す。
■ 東京ホテイソン(ショーゴ:柴田 祥吾(しばた しょうご))
- 出身: 鹿児島県出生、板橋区赤塚育ち。 板橋区立赤塚第三中学校、東京都立高島高等学校卒業。
- サッカー時代の絆: 小学校低学年から地元の紅梅小学校を中心に活動する強豪「ビートルイレブン」にてサッカーに打ち込み、チームメイトにはなんと俳優の山﨑賢人さんがいました。「一緒にボールを蹴り、休憩中にお茶を飲んだ」そうです。
- 「とんねるず」との縁: 実はお父様が石橋貴明さんと同級生(赤塚第二中学校)。板橋のレジェンドとの不思議な縁故を持ち、世代を超えた「板橋芸人」の血脈を感じさせます。
神保町よしもと漫才劇場で活躍する次世代を担う板橋芸人
吉本の若手芸人にとって、生活のすべては「劇場」を中心に回ります。板橋駅・新板橋駅、大山、中板橋周辺は、都営三田線やJR、副都心線といった彼らが毎日通う「神保町よりもと漫才劇場」や新宿の「吉本本社」という2大拠点へのアクセスが良く、若手芸人が多く住んでいます。
■ 板橋ハウス(吉野・住岡・竹内)
- メンバー: 吉野(めぞん)、住岡(軟水)、竹内(ピュート)
- 経歴: NSC東京22期の同期3人が、2020年10月から板橋区内のシェアハウスで共同生活を開始。
- スタイル: 「芸人と名乗るとハードルが上がる」という理由から、あえて正体を伏せてTikTokを開始。7、8本目に投稿した「コンビニに行く誘いを絶対断らない男、吉野」が爆発的にバズり、2025年4月時点でYouTube登録者数は71万人を突破。
- 板橋への影響: 何気ないアパートの一室やコンビニへの道中を映した動画は、若者にとって板橋の風景を「憧れの場所」に変えました。
■ カナメストーン(山口 誠・零士)
- 経歴: マセキ芸能社所属。2010年結成。茨城県鹿嶋市出身の幼馴染コンビ。
- 板橋との縁: 10年以上にわたり、板橋区内の一軒家で同居生活を継続中。
- 2025年の快挙: 結成15年のラストイヤーとなったM-1グランプリ2025にて、敗者復活戦から見事に決勝進出(最終7位)。
- 板橋エピソード: 自身のラジオ『カナメストーンの成金』等で、板橋のスーパーや日常風景を発信。板橋を拠点に、事務所の先輩・狩野英孝さんらとも深く交流しつつ、地元の兄貴分として若手からも慕われています。
さいごに

石橋貴明さんが掲げた「板橋芸人」の看板は、今も若手たちの道を照らす灯火(ともしび)です。
次にこのクロニクルに名を刻むのは、今夜も板橋の公園でネタを磨いている「未来のスター」かもしれません。

