2026年1月、トランプ大統領によるベネズエラ電撃侵攻とマドゥロ大統領拘束という衝撃的なニュースで幕を開けた今年。地球の裏側の火種は、遠い異国の出来事ではありません。
私たちの生活圏である板橋区や成増にどのような影響を及ぼすのか記事にしてみました。
ベネズエラの衝撃と3つの生活への変化
① 石油価格:ガソリン代の下落と「精製の壁」
皆さんの生活に直結するガソリンや灯油価格、また、物流コストを左右するエネルギー情勢についてはどうなるのでしょうか。
石油価格への影響

2025年は、中国の景気停滞に伴う原油需要の減少や、米国・ブラジルなどの産油国による増産から供給過剰が意識され、原油価格は軟調に推移しています。さらに、今後はトランプ政権によるベネズエラへの管理強化や、押収した石油の市場放出が進むことが予想され、足元で原油先物価格が下落傾向にあります。
アナリストの中には、2026年に1バレル50ドル前後、場合によってはそれを割り込む水準を予想する声もあり、我々の生活を支えるエネルギー価格の価格は低下するかもしれません。石油関係者はトランプ政権の一挙手一投足に注目しています(ただし、イラン情勢も不安定であり、相場はどう動くか不透明感が強まります)。
日本はベネズエラの石油にアクセスできるのか

日本が石油埋蔵量が世界一位とも言われるベネズエラの原油にアクセスできれば、UAEやサウジアラビアといったアラブ依存からの依存度が減り、東西からの分散確保が可能となります。こうした動きを予想してか、ベネズエラ軍事介入を受けてENEOSや出光興産といった石油関連株が高騰しています。
ただ、ベネズエラの石油は、硫黄分を多く含む「重油」です。日本がアラブ諸国に次ぐ輸入先とするには、国内製油所の精製設備(重質油分解装置)の整備が不可欠となります。
② 為替変動:ボラティリティの波に呑まれる地元経済
為替のボラティリティの増加は、多くの物資を輸入に頼る我々の生活にも影響しそうです。
「米国離れ」と「ドル需要」の交錯

米国の独断的な軍事行動に対し、世界的に「米国離れ」の懸念が出る一方、ベネズエラ復興への投資が進めば再びドル需要が高まります。そのため、ドル円の為替がどのような変化するのかを予見するのは難しい状況です。
人民元(CNY)への影響

中国政府がベネズエラに投じた600億ドル(9兆円)とも言われる借款が焦げ付くとともに、原油利権を失うことは中国経済にとって損失です。また、民間企業や金融機関が長年にわたりベネズエラに投じた金額はさらに膨らむかもしれません。世界2位のGDP(2024年度で1.9兆ドル)を誇る大国中国といえど、景況に波風が立つ可能性はあります。
さらに、今般のベネズエラ軍事介入は、中国のエネルギー安全保障および南米を含む対外戦略に変容を迫る可能性を秘めています。不動産不況やEV在庫、インフラ投資の鈍化といった構造的課題に直面するデフレ下の中国経済にとって、本件は中長期的な不安定要素を増幅させる懸念材料となります。
③ 中国経済と安全保障:台湾有事と薬物対策
石油市場や為替といったマクロ経済的な事象以外にも、我々の生活への影響があるかもしれません。
台湾有事への影響

米軍の圧倒的な軍事能力(電撃的な政権転覆)を目の当たりにした中国への強い牽制となり、懸念されていた「台湾有事」のリスクは後退したという見方があります。台湾有事にもなればエネルギー輸送やハイテク部品供給不足など、日本経済の不安定感が増し、株式市場や為替などへ負の影響は不可避でした。日本経済にとっての最大のリスクが回避される兆しが見えています(Bollmberg等)。
一方で、日本や米国は、中国の台湾への圧力を「力による現状変更の試み」として強く批判してきましたが、米国自身がベネズエラという主権国家に対して軍事介入を行い、指導者を拘束したことは、皮肉にも中国側に「大国なら自国の利益のために他国の現状を変えてもいいのだ」という大義名分を与えてしまうリスクがあります(日テレ等)。
2026年4月に予定されているトランプ大統領の訪中が一つのターニングポイントとみられています。どのようなディールが行われるかで日台の行く末は大きく左右されるかもしれません。
フェンタニル対策
米国都市を「ゾンビ化」させている合成麻薬フェンタニル。その原料の供給源とされる中国への圧力は、日本国内で広がりつつある薬物乱用のリスク抑制にもつながると期待されます。ただ、米国への供給ルートへの取り締まりが厳しくなり、新たな流通ルートが模索される中、フェンタニルの原料が日本に流れてくる可能性もあり、この点は十分注意が必要かもしれません。
結びに:新時代のグローバルガバナンスと「2026年の成増」
今回の米国のベネズエラ軍事介入が示したのは、新時代のグローバルガバナンスの幕開けなのかもしれません。

第二次世界大戦の教訓から平和的交流による融和を目指した国連ですが、常任理事国の拒否権による機能不全という構造的欠陥を抱えており、もはや「国際法」という名の世界秩序を維持する力さえ失いつつあるのかもしれません。

「国連」という安全装置が形骸化し、「力こそ正義」の論理が剥き出しになる社会で、日本はどう生き残るのか。2026年11月の米国中間選挙、そして、2027年秋に控える習近平の4選に向けて国際情勢は大きく動きます。
高市首相による高いバランス感覚が求められるな外交・防衛、小池都知事による首都運営、そして坂本板橋区長による地域コミュニティの維持。各層での緊張感をもった対応が求められています。

2026年、世界は大きく揺れ動いています。それでも、スキップ村に活気が満ち、電車公園に子供たちの笑顔があふれるような成増になりますように。


