板橋区は、令和8年度当初予算案を発表しました。新たな基本構想の初年度となる今回の予算は、『みんなにかけ橋 未来をひらく 創造都市デザイン予算』。一般会計は前年度比9.5%増の3,015億円と、ついに3,000億円の大台を突破しました。
まちの再開発から子育て支援の抜本的拡充まで、板橋が大きく動き出す1年になります。
予算規模と財政状況:積極投資と健全性のバランス

今回の予算は、前年度から262億円という大幅な増額となりました。
予算のポイント

- 一般会計:3,015億円(前年度比 9.5%増)
- 主な増要因: 上板橋・大山・板橋駅周辺のまちづくり事業、私立保育所運営費の増、史跡公園整備など。
- 財源の確保: 区税や交付金の増収(約102億円)を見込む一方、足らない分は「財政調整基金(区の貯金)」から27億5,600万円を繰り入れ、積極的な投資を支えます。
子育て・教育の「ウェルビーイング戦略」
親子の日常を劇的に変える居場所づくりに、重点的な予算が配分されています。
「あいキッズ」が学校内の“一日の居場所”へ(予算:約7.8億円)

共働き世帯の「朝の空白時間」を埋めるため、平日の午前7時30分から見守りを開始。さらに、授業時間中の不登校児の居場所としても開放し、土曜・長期休みの時間も拡大します。
学校図書館の地域開放&「読書通帳」の導入

区立小学校1校をモデルに、休日や夏休みの図書館を開放。銀行の通帳のように読書履歴を刻める「読書通帳機」を導入し、子どもの「読みたい!」を応援します。
「創造都市いたばし」を育むクリエイティブ戦略

板橋の強みである「絵本」と「文化」を、次世代の成長につなげます。
- いたばし絵本フェスタ(予算:6,000万円): 夏休みの1ヶ月間、区内全域が絵本の世界に染まる大規模イベントを開催。
- 絵本プレゼントの刷新: 妊娠期から2歳までに、翻訳大賞作品などの絵本を計2冊プレゼント。
- 文化の居場所(予算:約1.8億円): 文化会館地下1階をリニューアルし、親子やアーティストが創作・体験できる開放スペースを創出。
まちの姿を変えるトランスフォーメーション戦略

10年後の「めざす姿」に向けたインフラ整備も加速します。
- 旧保健所跡地: ホール機能を備えた「にぎわい・交流拠点」へと整備。
- グリーンホール: 高齢・障がい・福祉の「総合支援拠点」へ転換。
- 荒川河川敷(かわまちづくり): ラグビー機能の新設や、アウトドアゾーンの整備を推進。
【まとめ】板橋区は「投資のフェーズ」へ

令和8年度予算は、過去最大規模の支出を伴う「攻め」の予算です。まちづくりや子育て支援への多額の投資は、将来の定住者増や地域活性化を見据えた戦略的な一手といえます。
基金の繰り入れを行うなど、貯金を活用しながらの編成ではありますが、好調な区税収入を背景に、板橋区は今、「次世代のために、使うべきところに使う」という強い姿勢を示しています。
予算の概要
| 戦略カテゴリ | 事業名 | 予算額 | 概要・子育て世代へのメリット |
| ウェルビーイング | 新たなあいキッズの展開 | 780,999千円 | 朝7:30からの見守り開始。不登校児支援や長期休みの時間拡大など「一日の居場所」へ。 |
| つながりの居場所 | 22,668千円 | 集会所に「まちのコンシェルジュ」を配置。多世代が交流・相談できる地域拠点づくり。 | |
| 文化の居場所 | 181,530千円 | 文化会館地下1階のリニューアル。親子で創作・体験ができる開放的なアート空間を整備。 | |
| クリエイティブ | いたばし絵本フェスタ | 60,000千円 | 7〜8月の1か月間、区内全域が会場に。ボローニャ展と連動した大規模な周遊イベント。 |
| いたばし夢企画 | 17,000千円 | 子どもたちが文化芸術に触れ、表現や挑戦を体験する公演事業。UCCN加盟を見据えた施策。 | |
| 絵本のプレゼント事業 | 10,021千円 | ブックスタートを刷新。妊娠期〜2歳までに翻訳絵本など2冊をプレゼント。 | |
| さわる絵本の普及 | 3,838千円 | 視覚障がいの有無に関わらず楽しめる絵本を学校教材として導入し、感性を育む。 | |
| トランスフォーメーション | 旧保健所跡地複合施設整備 | 122,600千円 | ホール機能を備えた「にぎわい拠点」の整備。地域経済の活性化と防災力の強化。 |
| グリーンホール再整備 | 24,420千円 | 高齢・障がい・福祉の「総合支援拠点」への転換。よりそい・つながる福祉の核へ。 | |
| 本庁舎北館再整備 | 35,950千円 | 行政機能のバージョンアップ。来庁者の利便性向上と業務効率化に向けた準備。 |

