東京の地下に「令和の利根川東遷」を。環七地下河川計画が本格始動

東京都建設局は、激甚化する気候変動への対策として、東京西部から東京湾へと洪水を導く大規模治水インフラ「環状七号線地下河川(仮称)」の具体化に向けた議論を開始した。2026年3月4日、都庁にて「第1回 環七地下河川計画検討委員会」が開催され、基本構造や整備手法の検討が公式にスタートした。

気候危機に打ち勝つ「強靭な都市・東京」への転換点

白子川沿いの調整池

現在、東京都では1時間に50mmを超える降雨の発生率が増加しており、浸水被害の未然防止が急務となっている。都は令和5年12月に策定した「気候変動を踏まえた河川施設のあり方」に基づき、これまでの「貯める(調節池)」対策に加え、抜本的に「流す(地下河川)」機能を強化する方針に踏み切った。

小池百合子都知事はこの事業を、かつて徳川家康が行った大規模な治水工事である「利根川東遷」にも匹敵する歴史的な大事業と位置づけており、都民の命と暮らしを守るための最重要インフラとして期待を寄せている。

現在整備・運用中の調整池。

計画の概要:全長15kmの巨大トンネルが東京湾へ

昭和57年の台風時に氾濫した白子川

本計画の骨子によると、地下河川は既存の「神田川・環状七号線地下調節池」の南側終端(杉並区和泉付近)を起点とし、そこから約15kmにわたって地下を貫き、最終的に東京湾へと洪水を直接放流する想定だ。

東京都HPより引用。

広域ネットワークによる「時間100mm」への対応

城北中央公園調整池

現在、東京北部では白子川(大泉IC付近)や石神井川(城北中央公園付近)において、1時間あたり75mmの降雨に対応する「環状七号線地下広域調節池」の整備が進んでいる。

YOUTUBEより引用。

今回の地下河川計画が実現すれば、これら点在する大規模調節池の水を相互に融通し、東京湾へ排出することが可能になる。これにより、従来の目標を大きく上回る時間100mm級の局地的な集中豪雨に対しても、高い浸水抑制効果を発揮することが期待されている。

今後の展望

第1回委員会では、東京都の斉藤有河川部長をはじめとする専門家らが、地下河川の最適なルートや基本構造について議論を開始した。巨大な地下空間を利用したこのプロジェクトは、技術的・コスト的にも極めて高いハードルが予想されるが、気候危機という「待ったなし」の状況下で、東京の形を根本から変える壮大な治水対策が動き出した。

この記事を書いた人

なりチャン

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