【ガソリン高騰⁉】ホルムズ海峡封鎖:世界経済を巻き込む「エピック・フューリー」と日本のシーレーンの危機

2026年3月3日

中東情勢が決定的な転換点を迎えている。ホルムズ海峡の実質的な封鎖と、米国・イスラエルによる対イラン軍事作戦の開始は、世界経済の安定を根底から揺るがす事態となった。一方で、台湾海峡を巡る緊張も依然として高いままであり、日本はエネルギー安全保障と外交戦略の両面で、かつてない難局に直面している。

ホルムズ封鎖:世界経済への「窒息」

イラン革命防衛隊が2月28日からホルムズ海峡付近を航行する船舶への制限を要請し、事実上の封鎖状態に追い込んだ。これを受け、日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社は同海峡での航行停止を決定した。

世界の石油消費量の約20%、LNG貿易の約20%が通過するこの「チョークポイント」の機能不全は、供給網の寸断を意味する。米シンクタンクCSISの試算によれば、船舶妨害が長期化すれば原油価格は1バレル=90ドルを超え、攻撃が拡大すれば130ドルを突破する恐れがある。日本は原油の95.9%を中東に依存しており、この価格高騰は国内のガソリン価格や電気代を直撃する。政府が進めてきた「ガソリン減税」などの経済対策も、この価格高騰の波の前では効果が霧散しかねない状況だ。

「ライオンの咆哮」と「エピック・フューリー」

現在、中東では大規模な軍事作戦が展開されている。

  • Operation Lion’s Roar(ライオンの咆哮作戦): イスラエルがイランからの「存在的脅威」への対処として進める軍事作戦。ネタニヤフ政権はこれを、国内批判をかわし、自身の政治的レガシーを再構築するための「歴史的勝利」と位置づけている。
  • Operation Epic Fury(エピック・フューリー作戦): ペンタゴンが主導する米国の軍事作戦。中間選挙を控えるトランプ政権は、これを「国益を守る不可欠な決断」と強調し、支持層へのアピールを強めている。

しかし、この軍事作戦の長期化は、イスラエル国内の政局をさらに不安定化させている。3月末の予算案成立が政権の命運を握っており、早ければ9月にも早期選挙が行われる可能性が高い。戦局が「出口」を見失えば、政権の求心力は一気に崩壊するリスクを孕んでいる。

日本の深まる「二正面」の不安

このエネルギー危機の背後には、台湾有事というもう一つの巨大な地政学的リスクが影を落としている。

日本にとって、ホルムズ海峡と台湾海峡は、いずれも自国の生命線である。中東での混乱がアジアのシーレーン防衛体制にどのような影響を与えるのか。高市政権は、米国の動きを注視しつつ、自国の経済と安全保障をどう守り抜くのか――。

大国中国もまた、この米イラン対立と世界の混乱を注視している。米国が中東にリソースを割くことで、アジア太平洋地域での抑止力が揺らぐことを中国がどう利用しようとするのか。事態は軍事対立にとどまらず、世界を巻き込んだ「経済戦争」へと突入した。

私たちは今、平和な日常の裏側で、国際秩序が急速に書き換えられる歴史の目撃者となっている。エネルギー価格の急騰と物流の停滞は、明日の私たちの暮らしに、どのような形で影響を及ぼし始めるのか。事態の推移から目が離せない。

この記事を書いた人

なりチャン

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